涼しい美術館でゆっくりアート鑑賞はいかが? 今夏注目のTOKYOカルチャースポット5選。

東京展覧会

外に出るだけで少し気合いのいる、真夏の東京。そんな季節こそ目的地にしたいのは、涼しい館内でゆっくり過ごせるアートスポットです。名作を新しい視点で楽しめる展覧会からホテルの中で出合えるユーモラスなアート、光と音に包まれる体験型スポットまで、東京で開催される注目の展覧会をご紹介します。

国立新美術館/「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ

セクション01『ヴォーグ(流行)』中の芸術家
子供のころから雑誌や漫画を愛読していたピカソは、書物の中にも人物像の描き込みをしていたそう。1951年の雑誌『ヴォーグ・パリ』のページにもスケッチした。

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ

セクション05 アッサンブラージュとコラージュ
壁紙やビーズなどの日用品を貼り付けたユニークな作品。

ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ

セクション13 ピカソのボーダーシャツ
ストライプを愛するポール・スミスならではの展示。ピカソの象徴的な装いである「ボーダーシャツ」を天井いっぱいにぶら下げた。
写真はすべて「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」国立新美術館 2026年 展示風景

国立新美術館で開催中の「ピカソ meets ポール・スミス 遊び心の冒険へ」。パリ国立ピカソ美術館の所蔵作品にインスピレーションを得て、英国のデザイナー、ポール・スミスが会場レイアウトを手がけた、楽しい試みの展覧会です。

ポール・スミスといえば、クラシックな仕立てに鮮やかな色使いやひねりを加えたデザインが特徴的。ファッションの視点とアートの融合で、ピカソの作品にも色彩や空間の楽しさが加わり、ひと味違う雰囲気の中、ピカソの初期から晩年までの作品をたどることができます。

「パイプを持った男」などが並ぶコラージュ作品のエリアは、ヴィンテージの壁紙を用いるなど、展示室はピカソが挑戦した多様な作品ごとに区切られ、それぞれ異なる装飾が施されています。

伝統的な絵画の概念にとらわれず、「青の時代」やキュビスムなど多様な様式を切り拓き、日用品などの身近なモチーフも取り込みながら新しい表現に挑戦し続けたピカソ。その多様なスタイルが、ストライプや色彩を愛するポール・スミスの手によって、さらに魅力的な展示へと昇華。ふたりの自由な感性や遊び心を体感してみて!

会期:2026年6月10日(水)〜9月21日(月・祝)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
開館時間:10:00〜18:00、金・土曜は〜20:00。入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜、ただし8月11日は開館、8月12日は休館
公式サイト

ジャヌ東京/「The GUESTS」

ジャン・ジュリアンの「PAPER PEOPLE」シリーズ

館内のあちこちに現れる「PAPER PEOPLE」。ホテル内を巡りながら作品と出合える趣向。

麻布台ヒルズの『ジャヌ東京』では、フランス人アーティスト、ジャン・ジュリアンとのコラボレーション企画「The GUESTS」を開催中。館内には、彼の人気キャラクター「PAPER PEOPLE」から生まれた10人の“ゲスト”が潜んでいます。

すらりとした手足、大きな目、少しとぼけたような愛らしい表情。シンプルな線で描かれた平らで、カラフルな「PAPER PEOPLE」たちは、ホテルのあちこちに隠れています。1階のインフォメーション レセプション、ジャヌ メルカート、ジャヌ パティスリー、アマン エッセンシャルズ ブティック、3階のプールエリア(宿泊者限定エリア)、4階のジャヌ グリル、そして5階のホテル レセプションに出没しているとの噂。どこにいるのか、探してあげてください!

ジャン・ジュリアンの「PAPER PEOPLE」シリーズ

どの「PAPER PEOPLE」も今回のコラボレーションのために制作された唯一無二の作品。パティスリーのショーケースにも、スイーツを選ぶ「PAPER PEOPLE」が!

コラボカフェメニュー

食べるのが勿体無いほど可愛い限定クッキーも。イートイン・テイクアウトの両方で用意。

ジャヌ パティスリーでは、「PAPER PEOPLE」を描いた限定クッキーも登場。ゆっくりとお茶やスイーツを楽しめるのもホテルならでは。ジャン・ジュリアンのユーモア溢れる世界観に触れてみては?

会期:2026年7月1日(水)〜9月30日(水)
会場:ジャヌ東京
公式サイト

東京国立近代美術館/「杉本博司 絶滅写真」

一本の映画が上映されているあいだ、カメラのシャッターを開いたまま撮影した〈劇場〉シリーズ。スクリーンに映された無数の場面が一枚の写真の中で重なり合い、物語も登場人物も、最後には白く輝く光として記録される。
杉本博司 《U.A. プレイハウス、ニューヨーク》 1978 年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

空と海を二分する水平線だけをとらえた〈海景〉シリーズ。空と海をほぼ同じ比率で分ける水平線を、世界各地で同じ構図により撮影。原始人と現代人が同じように見ることのできる風景は何か、という問いから生まれた作品。
杉本博司 《相模湾、江之浦》 2025年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2cm © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

博物館のジオラマを大判カメラで撮影した杉本博司の初期代表作。
杉本博司 《アビシニアコロブス》 1980 年 ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×185.4cm © Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

静かに作品に向き合いたい気分なら、東京国立近代美術館の「杉本博司 絶滅写真」へ。「小田原文化財団 江之浦測候所」のような建築をはじめ、能やオペラの舞台演出、書、陶芸、和歌、写真などジャンルを超えた活動でも知られ、近年注目を集めている現代美術作家・杉本博司。

今回の展覧会では、彼の芸術の原点である”銀塩写真”に焦点を当て、1970年代後半の活動初期から現在に至る約60点のフィルム写真作品が紹介されています。会場には、無人の映画館を写した〈劇場〉や、空と海だけで構成された〈海景〉など、杉本を代表するシリーズが並びます。

いくらでも加工できるデジタル画像が当たり前になった今、暗室で一枚ずつ現像される銀塩写真には、時間や存在の痕跡をそのまま写し取るような特別な重みがあります。本展のタイトルにある“絶滅”という言葉が示すものを、作品を通してじっくり考えるのもよいかもしれません。

会期:2026年6月16日(火)〜9月13日(日)
会場:東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
開館時間:10:00〜17:00、金・土曜は〜20:00。入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜、ただし7月20日は開館、7月21日は休館
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東京都庭園美術館/「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」

ルーシー・リー《青釉鉢》1980年頃 井内コレクション

小さな高台から広がる繊細なフォルムと、光を受けて表情を変える鮮やかな青色が美しい、円熟期の作品。
ルーシー・リー《青釉鉢》1980年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託) 撮影:品野 塁

ルーシー・リー《溶岩釉鉢》1980年頃 井内コレクション

ざらっとした素地の風合いが特徴的な「熔岩釉」をかけた鉢。
ルーシー・リー《マンガン釉線文鉢》1970年頃 井内コレクション(国立工芸館寄託) 撮影:品野 塁

ルーシー・リー《ピンク象嵌小鉢》

色のコントラストが美しい小鉢。
ルーシー・リー《ピンク象嵌小鉢》1975-79年頃 国立工芸館蔵 撮影:アローアートワークス

器や工芸が好きな人にぜひおすすめしたいのが、東京都庭園美術館で開催中の「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」です。

ファッションデザイナーの三宅一生が企画した個展をきっかけに日本でも人気が高まった、20世紀を代表するイギリスの陶芸家・ルーシー・リー。彼女のうつわを前にすると、まず目に入るのはその凛とした佇まいです。ろくろから生み出される優雅なフォルム、象嵌や掻き落とし技法による独特の文様、そして釉薬によって生み出される豊かな色彩。華美ではないのに、見るほどに印象が残る作品に、きっと心を奪われるはず。

今回の展覧会は、国内で約10年ぶりとなる回顧展。会場の東京都庭園美術館は、1933年に朝香宮家の自邸として建てられたアール・デコ建築。かつての邸宅が会場のため、暮らしに近い距離感で作品を味わえるのも魅力です。

会期:2026年7月4日(土)〜9月13日(日)
会場:東京都庭園美術館
開館時間:10:00〜18:00。入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜
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TOKYO DREAM PARK/RÊVE DES LUMIÈRES(レーヴ・デ・リュミエール)

RÊVE DES LUMIÈRES ゴッホ

メインプログラムは「Van Gogh ゴッホの傑作たち」。色鮮やかな『ひまわり』が目の前で生き生きと動き出す。

RÊVE DES LUMIÈRES ゴッホ

渦巻く夜空と三日月、星の表現が幻想的なゴッホの名作『星月夜』。

RÊVE DES LUMIÈRES

ショートプログラムでは、ガウディ建築の世界観を光と映像で体験。

体験型アートを楽しむなら、有明にオープンした「RÊVE DES LUMIÈRES(レーヴ・デ・リュミエール)」へ。

フランス発のデジタルアート施設「リュミエール」シリーズが日本初上陸。広さ約1,500平米、最大天井高8mのメインホールでは、壁や床いっぱいに映像が広がり、立体的な音響とともに五感でアートを楽しむことができます。第1弾のメインプログラムは、『ひまわり』『星月夜』をはじめとするゴッホの傑作。完成間近の『サグラダ・ファミリア』を中心としたガウディ作品も同時上映されます。

ゴッホの筆致や鮮やかな色彩、ガウディ建築の有機的な造形美が、空間全体に立ち上がる様子は迫力満点! 圧巻のスケールで、まるで絵の中に足を踏み入れたような感覚に。幻想的な光と音のシャワーを浴びながら作品の世界観に没入できます。

会場:TOKYO DREAM PARK 8階
営業時間:10:00〜19:00(最終入場18:30)
公式サイト

写真・文/久保田千晴

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