もっかロックダウン中のフランスに暮らす松永加奈さん。何がダメで何がOKなの?困っていることはない?実際の暮らしについて教えていただきました。ニュースではわからない街の様子や暮らしが伝わってきます。
現在、ロックダウン中のフランス。政府がさまざまなことを禁止し、国民に外出制限をかける…という状況を聞いて「出かけるときはどうするの?」「不便はない?」と、日本にいる友人たちから質問されることもしばしば。そんな、日本ではちょっとイメージしにくい「日常の外出制限」についてご紹介します。
基本的に「在宅」が義務付けられているロックダウンの下で、外出時に必要なのが「Attestation de Deplacement Derogatoire」という外出許可証。スマホ入力して携帯できる電子版と、プリントアウトして記入する紙版があります。名前や住所、外出時刻を入力し、許可されている外出理由の中から当てはまるものにチェック。その許可証と身分証明を携帯し、移動中に警察の検問を受けた際に掲示します(通勤には別途、会社が出す証明証が必要)。ちなみにマスク着用も義務です。
外出については、買い物、散歩、運動、犬の散歩…といった感じで、許可範囲は意外と広め。但し、一部例外を除き、友人や親せき宅の訪問は許可されていません。食料品や日用雑貨店、薬局、ホームセンター、郵便局など「あ、行かなくちゃ」と思いつくスポットは営業中。一方でブティック、デパート、レストランのイートイン、娯楽施設は閉鎖中です。制限時間は1時間、移動範囲は1km以内。目的や場所によっては特例も認められていますが、もし検問を受けて違反と判断されれば罰金を払います。
今の私の生活の主軸は「在宅」。そして規制はあるものの、外出許可証があればケーキも買いに行けるし、散歩もできます。でも、今までの日常から「友達と会う」「外食をする」「遊びに行く」という娯楽がなくなると、こんなにも生活にハリと潤いがなくなってしまうんだなあ…と、その寂しさをひしひしと感じる毎日。ロックダウンが明ける日を待ち遠しく思いながら、今日も1日が終わろうとしています。