大人の鎌倉は2か所決め打ちで。古民家をリノベしたレストランと海外映画スターも訪れた鎌倉の隠れ家

学芸大学の生活雑貨の店『MIGO LABO』の店主であり、フォトグラファーとしても活躍する、〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバー石黒美穂子さん。度々訪れるという鎌倉の穴場スポットを案内してくれました。

人気スキンケアブランドの複合型ショップ

鎌倉の小町通りはいつも観光客がいっぱいで賑わっていますが、一本外れるだけで地元の人が静かに生活しているところもあるのをご存知でしょうか?

そんな裏路地にある鎌倉旅の穴場スポットに避暑を兼ねて行ってきました。

enso(エンソウ)』は日本家屋をリノベーションした複合型ショップ。店内はレストランを中心に、調香専門店「kako-a scent-」やOSAJIショップがあり、「食」と「香り」の体験を通し心と体を整えることを目指して、化粧品ブランド『OSAJI 』が2022年にオープンしました。

落ち着いた佇まいの日本家屋は昭和初期までは芸者置屋だったそうです。『OSAJI』のセレクトアイテムや『enso 』オリジナルのグロッサリーのショップも併設しています。

レストランの2ヶ月ごとにメニューが変わるコース料理は地元の野菜や魚を使い、フレンチと和食の要素をミックスした丁寧な創作料理の数々が評判でリピーターも多いそうです。

8人でテーブルを囲める半個室はちょっとした集いにも使えます。小町通りの喧騒を全く感じさせない非日常空間です。

グロッサリーと同じく併設されている「kako -a scent 」は蔵前の kako と同じ調香ワークショップ 。30種類以上のエッセンシャルオイルから自分好みのホームフレグランスを作れます。

暑い日のお出かけは『ステテコドットコム』の綿ちぢみ Tシャツと『MANANI』 のアフリカンプリントのパンツの涼しげなスタイリングで。

五感を刺激する美しい料理

enso のコース料理は旬の食材を使った季節を感じるメニューで前菜からメイン、締めのご飯やデザートの6品。

美しい器に盛り付けられた料理は目で見て、香りを嗅いで、食して幾重にも美味しさを味わえる特別なもの。

発酵じゃがいもソースを合わせた太刀魚グリルは付け合わせの海藻もバランスがよく、しっかりとした食べ応え。ノンアルコールドリンクの種類も多く、飲めない人も愉しめると好評なんだとか。

 

また、ドリンクメニューが豊富に揃っていて、昨今人気のクラフトジンなどこだわりのセレクトが魅力的。私はコース料理に合わせたワインのペアリングをオーダー。

発酵させたとうもろこしとココナッツミルクのソースが掛かった「とうもろこしのかき揚げ」。スパークリングワインとプチプチとはじけるとうもろこしの食感が見事にシンクロ。

カンパチの前菜は塩柚子とカツオ出汁でマリネしてあり、たっぷりの薬味で頂きます。水茄子の炭火焼とのハーモニーが最高でした。

ペアリングのワインがお料理ごとにサービスされ、ゆったりと流れる時間に暑さも忘れます。

締めの創作焼おにぎりが絶品と評判だったので期待しながら、待っていると運ばれてきたのは大きな鉢の中に坦坦麺のような味付けの創作焼きおにぎりが。白ごま担々スープは飲みやすく、香ばしい焼きおにぎりと合わせると全く新しい感覚でメリハリの効いた味付けに五感を刺激されました。

週末のみ創作焼きおにぎりと小鉢2品・ドリンク付きのモーニングメニューがあり、人気なんだとか。

最後のデザートは打って変わって軽やかなテイストで天晴でした。

大人のためのご褒美ランチコースを満喫し、夏の疲れも一気に吹き飛びました。

パッションフルーツのチーズケーキと檸檬スカッシュムースにピスタチオ、バジルヨーグルトのソルベは少し熱めの「和ハーブティー」でスッキリとした食後感。

enso

住:神奈川県鎌倉市小町2丁目8-29
電:0467-39-6141
休:水曜日(水曜が祝日の場合、翌平日)

【レストラン営業時間】
平日
Lunch: 11:00-15:00(L.O. 13:30) 時間制・予約制
Cafe: 15:00-18:00(L.O. 17:00)

土日祝
Morning: 8:00-10:30(L.O. 9:30)
Lunch&Dinner: 11:00-19:00(L.O. 17:00) 時間制・予約制

https://www.enso-osaji.net/

鎌倉市景観重要建造物に指定された旧川喜多邸別邸

食後には北鎌倉寄りの小町通りの裏路地にある『鎌倉市川喜多映画記念館』に足を運びました。

enso のスタッフからもオススメスポットとして教えてもらった「旧川喜多邸別邸」。年4回の公開があり、5月と11月の特別公開は展示観覧者のみ、4月と10月の一般公開は無料。公開を心待ちにしているファンも多いそうです。

こちらは日本映画の発展に貢献した川喜多長政・かしこ夫妻の旧宅跡に建てられた施設で映画資料などの展示や映像資料室での映画上映、各種イベントが開催されています。企画ごとに趣向を凝らした展示物が並び、往年の映画ファンの聖地になっているんだとか。

敷地内には川喜多ご夫妻がゲストハウスとして使っていた「旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)」もあり、鎌倉市民の憩いの場として親しまれています。

川喜多長政・かしこ夫妻は日本映画界とヨーロッパ映画界を繋いでいた日本映画界にはなくてはならないパイオニア。観光スポットと言うよりは文化施設として知的好奇心を満たしてくれます。

校外見学の子供たちに人気のヘリオシネグラフなど映像に関する装置。観だすと夢中になる大人も多いそうです。

川喜多長政・かしこ夫妻は日本海外共に華々しい映画人との交友があり、アラン・ドロンやジム・ジャームッシュ、黒澤明監督などとのスナップショットが目を引きます。

館内にある情報資料室には映画関連の書籍や雑誌がずらりと並び圧巻。映画解説者の淀川長治さんの書籍など今では手に入らないものもたくさんありました。

クラシカルな上映室で名作を

館内にある座席数51席の映像資料室ではフィルム映画の上映もされており、デジタル化されていない貴重な作品も観られると映画好きの間では評判で地元・鎌倉だけでなく、遠くから足しげく通うファンも多いそうです。

映画はスクリーンで観たいと言う映画好きの心をくすぐる魅力的なラインナップです。『ローマの休日』は日曜洋画劇場の淀川長治さんの解説付き上映だったそうです。

観覧料は一般 200円、映画鑑賞料(展示観覧料含む)1,000円と良心的で気になる企画や映画上映の際は是非、足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

2010年に鎌倉市景観重要建造物に指定された旧川喜多邸別邸。映画『PERFECT DAYS』の公開に合わせた来日時にヴィム・ヴェンダース監督のインタビュー場所として使われたりと今も映画人の心を掴む魅力的な空間。

 

鎌倉市川喜多映画記念館

住:神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目2番地12号
電: 0467-23-2500
開館時間:9:00〜17:00
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替期間

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この記事の
プレミアムメンバー

石黒美穂子

フォトグラファーとして女性誌、WEBなどで活躍。生活雑貨のセレクトショップ「MIGO LABO」(東急東横線・学芸大学駅)のディレクターも務める。
https://www.migolabo.com/
Instagram : @migolabo @ishiguromihoko

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