【住まいと暮らしvol.39】忙しくても身の回りを整えて、心地よくーいちご農家・喫茶店店主 さとうりつこさん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の菊地恵実子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、北海道で喫茶室「佐藤いちご店 喫茶店」を営むさとうりつこさんです。

さとうさんの暮らしのルール

1)人に信頼されるようなふるまいを
2)ものも愛情もケチらない
3)いつでも全力投球

北海道に暮らして10年というさとうさん。有機JAS認証のいちごを夫婦で育て、畑の隣で喫茶室を営んでいます。

「東日本大震災をきっかけに、食事やこれからの生活を見直しました。一人娘を北海道豊浦町のシュタイナー学校に通わせるために、宮城県から移住しました。偶然、移住先がいちごの名産地だったので、いちご農家になり、古民家をリノベーションして3年前に喫茶室をオープンしました」

軽い気持ちで始めたという農家は、とにかく大変だというさとうさん。

「いちごはほかのフルーツと比べ、傷みが早く繊細です。ほぼ1年かけて育てて、収穫はたったの2ヶ月ほど。それでもその大変さと引き換えに、みなさんからいただく笑顔は最高で、いちごを見ただけでとても喜んでもらえることが励みになっています」

日々の中で大切にしているのは、掃除だという佐藤さん。

「自然を壊さず、地球を汚さず、食と環境を先の世代に繋いでいけるよう、日々畑や作物に向き合いながら自然環境とともに暮らしています。どんなに忙しくても居心地がいいと感じられるように、身の回りを整えることが基本です。

歳を重ねて、何かをしなくてはいけないという気持ちがなくなりました。今後は、喫茶室の周りにたくさん実のなる木を植えて、森のようにしていきたいです。その実を使って、季節ごとの手仕事を楽しみたいですね」

 

北海道ならではの民芸品を並べて。「木彫り熊やアイヌの木彫り、セワポロロなど。移住してから自然と集まりました」

普段は販売されていないという、渡辺北斗さんの木彫り作品。「渡辺さんは別海で牛飼いをしながら、北方少数民族の木彫りに影響を受け、作品作りをしていて、ご縁があって私たちのところに来ました。今は店の守り神として、なくてはならない宝物です」

お気に入りのポスターは、倶知安町で暮らす86歳の画家、徳丸滋さんが描いたもの。「羊蹄山やニセコに咲くお花が描いてあり、この地でしか見ることのできないめずらしいお花も。見るたびに心が和みます」

旅先で拾った石などを飾って。「娘が小さな頃からたくさんプレゼントしてくれます。今でも学校のアウトドアに行くと、拾ってお土産にしてくれます」

愛用しているカンタキルトの敷布。札幌の布作家、江口さゆりさんのもの。

庭にはたくさんのハーブの種をまいて。「種まきカレンダーと照らし合わせてまきました。食べられるものを植えるのが好きです」

娘さんが幼稚園の頃から、10年作り続けているお弁当。「高校までお弁当づくりは、あと4年続きます。忙しいときはそうめんなど、手抜きをすることもあります」

農園のいちごをふんだんに使ったいちごマフィン。

つるんと食べられるパンナコッタやいちごゼリー、自家製シロップのイチゴクリームソーダはこの時期の人気メニュー。

さとうさんの愛猫。「何代も天国に見送り、今一緒に暮らしている、保護猫のふーこさんです。猫は自分の暮らしに欠かせない生きもの。小さなころからずっと飼い続けています」

profile

さとうりつこ

10年前に北海道に移住。夫婦で農薬を使わない、いちごの栽培をはじめる。3年前から喫茶室をスタート。新鮮ないちごのスイーツを楽しめるほか、イベントなども開催。
https://tanebito.thebase.in
Instagram@sato.strawberry.shop_k

さとうさんがバトンを渡すのは、札幌で心と体を整える「Organic cafe 知恵の木」を20年、夫婦で営む宮本よしこさん。「やわらかい笑顔と物腰で、包みこむような優しさを持っている方です」とさとうさん。宮本さんの暮らしは、8月中旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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