【住まいと暮らしvol.33】散歩するように、ゆっくり人やものと付き合うーギャラリーオーナー・タカハシミチヨさん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の上浦彩さんのバトンを受けてご登場いただくのは、ギャラリー「日+月+星(サンムーンスター)」を運営するタカハシミチヨさんです。

タカハシさんの暮らしのルール

1)ゆっくり仲良くする
2)決めつけない
3)細部を感じてみる

約15年前に奈良に移住し、もともとピアノのレッスンホールだった椅子貼り職人の夫のアトリエをギャラリー「日+月+星」として、音に関するアートや朗読会、トークイベントなどを開催しているタカハシさん。ギャラリーからすぐの場所では、シェアキッチン付フリースペース「まほろし」を近所のカフェや雑貨店の店主たちと共同運営。さらに地元のマルシェの企画や運営、ワークショップでイベント出店者として活動するなど、とてもパワフルな日々を送っています。

「ライフワークとしてコラージュを制作して、ときどきコラージュと言語化の教室も開いています。私が関わった場で、人や作品との出会いが誰かの人生を大きく変えることにつながったり、必要なときに必要な出会いがあるということを目の前で見せてもらったり。アートやライブの表現活動の現場で起きる、ドラマチックな出来事に感動することも多く、私自身がたくさんの力をもらっています」

散歩が大好きだというタカハシさんは、歴史と自然たっぷりの奈良公園、東大寺の周辺を旅人のように歩くことが日課。ゆっくりとした歩みは、考え方にもつながっているのだとか。

「じっくりと染み入るように、人の深い部分まで感じ取っていく。物事も同じようにあらゆる角度からおもしろがっていく。目の前で起きていることだけで判断せず、その奥にあるものをわかろうとする気持ちを大切に。急いでいるとき、忙しいときほど、心静かに、ゆっくり仲良くを意識しています」

 

リネンなど、天然素材で着心地のよいものを身につけるというタカハシさん。「いつも似たような雰囲気の服になってしまうのですが、毎日微妙な素材感や色の違いを楽しんでいます」

お気に入りのバッグは、友人でもある布もの作家Fu-raさんによるもの。「真っ白でシンプルで、軽くて多機能なマルチ布バッグがほしいと作ってもらいました」

地産地消、足りないものはご近所の販売所など、できるだけ顔の見える作り手、販売者から買い物をしたいと考えているのだとか。「野菜は、毎週トラックで朝採りの野菜を販売してくださる角山さんから買っています」

コラージュアートをすることが気分転換に。「自分の撮影した写真や絵を使って、いろんな作品を作っています」

タカハシさんの運営している、sound & artGallery 「日+月+星(サンムーンスター)」。

「日+月+星」は音とアートのギャラリー。イベントやLIVEなどを開催しています。

イベントでは、毎回いろんな分野のアーティストのお話を聞くことができるそう。

メンバー数名で運営している、シェアキッチン付きのコミュニティスペース「まほろし」。「日+月+星から徒歩30秒。私は、2階のギャラリーto-daiを担当しています」

シェアスペースを運営している仲間、ミジンコブンコさんのスパイスカレー。「テイクアウトして、家でもいただきます」

音楽が大好きだというタカハシさん。できるだけレコードで聴くようにしているのだとか。

レコード盤をジャケットから取り出すことから始まり、針を置く時間、音の響きの違いなども聴き分けながら、ジャケットのアートと音との時間をゆったりと過ごすことが楽しいそう。

ものづくりに関わる夫婦の、共通の趣味はアート鑑賞。「アートからたくさんの刺激をもらいます。いつもインプットとアウトプットの両方が必要と考えていて、循環していることが大切です」

近所を散歩しながら、咲いている花や植物の写真を撮るのが好き。「今の季節は奈良公園で、いろんな種類の桜が咲きます。散歩しながら観察するのが楽しいです」

近所の東大寺転害門は、奈良きたまちのシンボル。

若草山の鹿。「元気がないと感じたら、鹿に会いに行きます。のんびりと草を食べてる鹿を眺めてるだけで癒されます」

平城京の用水路に沈む夕日。

地元の奈良きたまちのイベント「きたまちといろ」でのライトアップ。「ランタンワークショップをデザインをしました。地域の町の活性化イベントにも時々参加しています」

友人たちと原生林の中へ。「20分ほど歩けば若草山に登ることができます。自然と一体化できる癒しの時間です」

profile

タカハシミチヨ
sound&art Gallery 日+月+星オーナー。東京出身。約15年前に奈良へ移住。現在は奈良きたまちで夫婦二人暮らし。10数年前、脱サラした夫は椅子貼り職人。夫のアトリエをときどきギャラリーとしてさまざまなイベント等を開催。また、シェアキッチン付フリースペース「まほろし」を共同運営。奈良を中心とした活動を行う。
http://sun-moon-star.jp

タカハシさんがバトンを渡すのは、金属アクセサリー「um」のデザイナー上田真理子さん。「まりちゃんとは10数年前、私が企画したイベントのフライヤーデザインを担当してくれたことをきっかけに、知り合いました。包み込むような温かさと優しさを持っていて、私よりずっと年下なのにとても頼りがいのある女性。ここぞというときのデザインの相談に乗ってもらっています」とタカハシさん。上田さんの暮らしは、4月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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