味も香りも好きで、料理の引き立て役として、また部屋のフレグランスとしてハーブを愛好してきたカナヤミユキさん。もっとハーブを知りたい、育ててみたいと思い立ったのは、 一昨年の春、コロナ禍が日本にも広がってきた頃でした。
カナヤミユキ/かなやみゆき
服飾にとどまらず、夫のアトリエ「ZUBO」でロゴデザインなども手掛ける。鴨川のハーブ農家「苗目」の畑も借りて、群馬と両方でハーブについて深掘りしていく予定だ。
「ひらめいたら動いてみる。座学で勉強するより、実際に見て、視覚、嗅覚で覚えるのが好きな性格」というカナヤミユキさん。
さっそく国産精油を作っている富山の工場見学に参加、出来上がる工程を勉強しました。
「若いときは余裕がなかったけれど、 子供も独立して、仕事以外にも面白がれるものがあるといいかと思って」
実家は群馬で14代続く専業農家。高齢の父親は、今は農地を人に貸し、小さい畑を管理するのみになっています。
その一角に父親の助けを借りながら、ハーブを育て始めました。ハーブは意外に強く、特別な土作りもせず、肥料なしでも、どんどん成長。レンタルした蒸留器を使い、収穫したセージなどを加熱して、案外簡単に精油の抽出に成功したのだとか。
ハーブで夫の花粉症が緩和したり、 自身のホルモンバランスが整ってきたり、その薬効にも開眼。ひらめきから始まったカナヤミユキさんのハーブ探求の道は、これからもどんどん広がりを見せていきそうです。
写真/柳原久子 取材・文/高橋敬恵子、齋藤優子、船山直子 再編集/久保田千晴