1年半の休館を経て、この4月にリニューアルオープンした東京・上野にある国立西洋美術館。それを記念して、自然と人の対話から生まれた近代の芸術の展開をたどる展覧会「自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」が開催されています。
本展覧会は、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の協力を得て開催。フォルクヴァング美術館と国立西洋美術館は、同時代を生きたカール・エルンスト・オストハウス(1874-1921)と、松方幸次郎(1866-1950)の個人コレクションをもとに設立された美術館という共通点があります。そんな両館のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画まで、100点を超える絵画や素描、版画、写真を展示。近代における自然に対する感性と芸術表現の展開をひも解きます。
ゴッホをはじめ、マネ、モネ、セザンヌ、ゴーガンなど、西洋絵画の巨匠たちによる、多彩な自然表現を観ることができる本展。ドイツから初来日した、ゴッホが晩年に取り組んだ風景画の代表作《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》のほか、日本ではなかなか観ることができない、ドイツ・ロマン主義の巨匠フリードリヒや現代アートの巨匠リヒターなど、知る人ぞ知る作品も多数展示。
国立西洋美術館は、デザイン上も大きな意味を持つ前庭の目地、西門の位置や囲障など、ル・コルビュジエの設計をもとに、1959年に創建した当時の姿に近づけた形にリニューアル。建築そのものも必見です。
自然の光を描いた作品から、芸術家の心象や観念に結びついた自然表現、また時間の流れを描いたものなど、さまざまな形の「自然」を描いた作品の数々。色彩豊かな作品も多く、観ているうちに穏やかな気持ちになれます。クロード・モネの《睡蓮》など、有名な作品も観られる貴重な機会なので、お見逃しなく!
国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで
会期:開催中〜〜2022年9月11日(日)
開館時間:9:30〜17:30(金土は20:00まで)
休館日:月曜日、7月19日(火) (ただし、7月18日(月・祝)、8月15日(月)は開館)
会場:国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7番7号 )
電:050-5541-8600(ハローダイヤル)
Web:https://www.nmwa.go.jp/
https://nature2022.jp
取材・文/赤木真弓