デザインから見つめる、フィンランドの暮らしと自然。『ザ・フィンランドデザイン展』1月30日まで

フィンランドデザイン展 メイン

アルヴァ・アアルトの家具、『マリメッコ』のテキスタイル、カイ・フランクのガラス工芸など、長く愛され続けている北欧・フィンランドのデザイン。そのどれもが、美しい大自然とともに生きる暮らしの中で生まれたデザインです。そんなフィンランドデザインの歩みを見ることができる、『ザ・フィンランドデザイン展ー自然が宿るライフスタイル』の様子をご紹介します。

フィンランドデザイン展 アアルト 椅子
約250点の作品と約80点の関係資料を展示。世界的な建築家である、アアルトによる家具も。

日本でも人気の高い、フィンランドのデザインプロダクト。そのデザインはどのような背景で生まれたのか、というところから始まる本展。1917年にロシアから独立したフィンランドは、国づくりの一環としてデザインの発展に力を注ぎ、1930年代から70年代にかけて、デザイナーや建築家、アーティストが登場。今も続くフィンランドデザインが確立されました。そんなデザインのインスピレーションの源となったのは、フィンランドの豊かな自然なのだそう。

フィンランドデザイン展 アアルト 花瓶
アルヴァ・アアルト<「サヴォイ」花瓶>1936 年、カルフラガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
フィンランドデザイン展 アアルト アームチェア
アルヴァ・アアルト<キャンチレバーチェア 31(現:42 アームチェア)/パイミオサナトリウム竣工時のオリジナル製品>1931 年、木工家具・建築設備社(トゥルク)、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、Photo/Rauno Träskelin
アラビア パラティーシ
日本でも人気の高い『アラビア製陶所』の「パラティーシ」も、自然界の装飾から生まれたもの。
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また冬が長くて厳しいため、家時間を豊かにする工夫からさまざまなデザインが生まれたという背景も。光を取り込む建築や、光を受けて表情を変えるガラス製品、鮮やかなパターンのテキスタイルなどは、太陽や花を想起させます。

フィンランドデザイン展 カルフラガラス製作所の名作 ポルゲブリック
アイノ・アアルトが手がけた、カルフラガラス製作所の名作「ポルゲブリック」。
フィンランドデザイン展 アアルト ボルゲブリック
アイノ・アアルト<「ボルゲブリック」花瓶、ボトル1932>1932 年、カルフラガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
マイヤ・イソラ カンムリカイツブリ
マイヤ・イソラ<カンムリカイツブリ>1961 年、マリメッコ社、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、Photo/Rauno Träskelin
フィンランドデザイン展 ヴェラクルス
アンニカ・リマラ<「ヴェラクルス」ドレス、「クルーナ」テキスタイル>1968/1967 年、マリメッコ社、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、Photo/Harry Kivilinna
フィンランドデザイン展 文化村ミュージアム
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50人以上のデザイナー、アーティストの作品が展示されているのは、デザイン大国のフィンランドならでは。前述のアルヴァ・アアルトやカイ・フランクのほか、陶版作品で知られるルート・ブリュック、『マリメッコ』を象徴する花柄《ウニッコ》をデザインしたマイヤ・イソラだけでなく、日本ではあまり知られていないアーティストたちの作品から、きっとお気に入りが見つかるはず。

フィンランドデザイン展 カイ・フランク カップ&ソーサー
カイ・フランク<「BA キルタ」カップ&ソーサー他>1952-1975 年、アラビア製陶所、ヘルシンキ市立博物館蔵、Photo/Yehia Eweis
フィンランドデザイン展 ドラ・ユング 子連れのアヒル
ドラ・ユング<子連れのアヒル>1955 年、ドラ・ユング・テキスタイル、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、Photo/Jean Barbier
フィンランドデザイン展 カーリナ・アホ 卵入れ
カーリナ・アホ<卵入れ>1950 年、アラビア製陶所、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、Photo/Kirsi Halkola
フィンランドデザイン展 文化村ミュージアム
フィンランドデザインの黄金時代と言われる1950年代の作品。
フィンランドデザイン展 ルート・ブリュック
アラビア製陶所で長年、陶版作品に取り組んだ、ルート・ブリュックの作品。
フィンランドデザイン展 ドラ・ユング
テキスタイルアートの先駆者、ドラ・ユングのダマスク織りのリネンテーブルクロス。フィンランドの家庭で長年親しまれた。
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またムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンの貴重な絵画や壁画の原画、雑誌の表紙、ファブリックなどのほか、子どものためのプロダクトも多数展示。小さな頃から人気のデザイナーが手がけるおもちゃや絵本に囲まれているフィンランドの人々が、少しうらやましくなってしまいます。

フィンランドデザイン展
カイ・フランク<木製人形(サーカスの団長、女の子)>1940 年代、フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、Photo/Harry Kivilinna(サーカスの団長)

展示の最後にある、ミュージアムグッズコーナーも充実。オリジナルのトートバッグやTシャツ、文房具などのアイテムから、『イッタラ』の食器をはじめ北欧ブランドのアイテムまで幅広く揃います(『アルテック』のガチャも)。私たちに馴染みのある食器や家具、テキスタイルなどを通して、フィンランドの暮らしを改めて知ることができる展示。1月30日までなのでお見逃しなく。

フィンランドデザイン展 グッズ
大充実のグッズコーナー。
フィンランドデザイン展 図録
フィンランドのデザイン好きは必携。大充実の内容の図録もおすすめ。
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取材・文 赤木真弓

観光特急『あをによし』でゆるやかな時間が流れる古都・奈良へ。マチュア世代の一泊二日母娘旅

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