パリのキッチン拝見。物語を持った世界中の道具をコレクション

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好きが高じ、いつしかこだわりとなり、ひとつの世界観を作り上げる「定番品」。今回は、世界中から集めたキッチン道具が並ぶ、こだわりの詰まった素敵なパリのお宅を訪ねました。

子供の頃から、オーガニックで地産地消の食生活という両親の元で育ったイネス・ド・ヴィルヌーヴさん。

「おかげで食べることが大好きになりました。そんな環境で育ててくれた両親には、とても感謝しています」

ファッションブランドで14 年間、世界中を飛び回り、出張先ではさまざまな国の食文化にも触れてきました。

「その国ならではの料理を楽しむとともに、キッチン道具を探し、お土産にするのが楽しみでした。人々の生活に根付いた道具にはストーリーがあります。それを集め、その中から私自身が使いやすいものが、キッチンの定番品となりました。たとえばレバノンで買ったコーヒーを淹れる道具。決して便利なものではありませんが、とても美味しいコーヒーを淹れてくれるので、 かれこれ 15 年以上愛用しています」

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大きな縦長窓がある明るいキッチン。「収納扉は床の色に合わせて黒にしました。コンロは火力が強い四つ口の業務用。自然光がたっぷり入るせいか、黒を使ってもあまり重い雰囲気にならなかった」

イネスさんのキッチン周りを見渡すと、手にやさしい木のぬくもりがある ものや、環境にやさしいカゴなど、素朴な味わいのものが目に付きます。

「キッチンで使うものは、心が弾まないと。海外で買ったものは、使っているとその楽しかった時間も蘇ります。 最近は、旅先で見つけたいい食材も、 海外から取り寄せています。最近のグルテンフリーブームなどは、トレンドやファッション性が先に立ち、根本の大切なものを忘れている気がします」

朝食しっかり派のイネスさんの「朝ごはんの定番」。白い器にはヘーゼルナッツとドイツ製スペルト小麦を混ぜたもの。スコーン、レ モン水、そしてベルギーから取り寄せたパン。

レバノンで買ってきたコー ヒーの道具。「沸騰させ、 上澄みを注いで…を、3回 繰り返す手間がありますが、 美味しいコーヒーが淹れられるんです。豆はカルダモ ンが入った、レバノンのコ ーヒー豆を使っています」。

どのオリーブオイルが美味しいか、テスト中。「手前のものはフランス製。奥のはイタリア製。一番右はギリシャ製。自宅のキッチンで、 レストランで使う調味料を私がセ レクトすることもあるんです」。

マヨルカ島で使われていたナイフを旅先で購入。スペインで100年前からナイフを作っている老舗ブランド「PALLARES SOLSON A」のもの。「クラフトマンシップを感じる品です」。

キッチンの収納に、イタリアのデザイナー、エットレ・ ソットサスのCarltonがさりげなく。「ブランド物には興味がないけど、これはひと目で気に入って。壁の色にも似合っているのが気に入っています」。

「口の広いバスケットの持ち手を壁にかけ、収納として使う方法は、マヨルカ島でよく見かけたテクニックです。アイテムごとに分けて使えるから便利です」。イネスさんのカフェでの収納法。

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