【パリの居心地の良い部屋】コントラストに重きを置いた、開放感のある部屋。

一日中、部屋で読書したり、お茶を飲んだり。そんなふうに過ごす日こそが、一番贅沢な日。厳選した家具が並ぶ、完璧にコーディネートされた部屋より、 少しぐらいテイストがバラバラでも、ほっとくつろげる部屋の方が、素敵だと思います。今回は一人暮らしを楽しむパリマダムの居心地の良い部屋をご紹介します。

数年前に10区、レピュブリック広場の近くにアパルトマンを購入したアンヌ・レヴィさん。「若い建築家の女性が住んでいた部屋なので、だいたいのレイアウトはできあがっていました。でも寝室がひとつだったので、リビングに壁を作り、ベッドルームに。あと直したのはバスとキッチン。本が大好きなので大きな本棚を作りました」。

建築家とキッチンの色を相談しているとき、自分は白と黒のコントラスト、それにグラデーションのグレイが好きなんだと気づいた、というアンヌさん。その結果、壁と天井は真っ白、窓枠はダークな色味に決めました。「離婚してひとりになってから購入した家ということもあり、ミニマムに暮らそうと、家具や持ち物をできるかぎり減らしました。例外は本と植物。 これらは、もっと増えてもいいと思っています」。

32歳を筆頭に3人いる娘たちはそれぞれ独立。 現在はフォトグラファーのパートナーや娘たちが、時々泊まりに来るのだそう。「ひとりの時はソファに座って本を読んだり、パソコンをいじったり。彼がいても、娘たちがいても、どんなシチュエーションでも全員がくつろげ る家。ありきたりの景色ですが、大きな窓から空と屋根が見える開放感が、そう感じさせるのかも」

部屋は約60m²。リノベイトの際に作った本棚は、天井の高さまで目一杯収納できる。ソファは、前の住人が置いていった「IKEA」。
ダイニングテーブルと椅子は「 habitat 」。大きな縦長の窓と壁と天井、そしてこのテーブルと椅子がモノクロのコントラストを際立てる。
この家を決めたきっかけとなったのは、窓から見える屋 根の風景とバルコニー。
写真にかかわるアンヌさんらしい部屋のコーナー。インテリア同様、写真もモノクロームに惹かれる。部屋にいるときはいつも音楽を流しているそう。
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『ku:nel』2016年7月号掲載

取材・文 今井 恵/写真 横田安弘コーディネート 石坂のり子

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