【松永加奈のフランス便り12】観光地・パリの景色が変わった2020年の夏。

松永さん パリ通信 12

いつの時代も、憧れの観光地パリ。一年を通して、世界中から観光客が押し寄せ、さまざまな言語が飛び交う都市です。そんなパリも、今年は人影もまばら。なかなか見ることのできない、ガランとしたパリを〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの松永さんにレポートしていただきます。

世界屈指の観光地パリ。一年中、世界中から訪れるたくさんの人々で賑わうのですが、今年は様子が違っています。

ロックダウンが緩和された5月半ば、お店のシャッターが開き、放置されていた公園が手入れされ、止まっていた街は動き出しました。家庭や仕事、学校など、パリに暮らす人々が手探りしながら日常を取り戻していく一方、観光客の不在は街の景色を変えています。

初夏の頃、誰も来ないランドマークは悲しいほどひっそり。いつもなら記念撮影で順番待ちするスポットもガラガラ。人気のカフェやバーからは観光客の姿が消え、お店の人も「日本からのお客さんが来なくて寂しいよ」と嘆くほど。どこへ行っても地元の人ばかりで、私にとっては新鮮な光景でした。

7月以降、夏のバカンスシーズンになると、フランス国内や近隣諸国から来る人は増えましたが、「あ、観光客だ」とその存在が目に留まるほど、まだまだ数は少ない印象。世界の情勢が変わるまで、溢れるほどあった旅行者の姿は、当たり前のように街に溶け込んで、パリの景色を作っていたんだなあと実感しました。

それでも少しずつ人の流れが出てきたことで、しゅんと肩を落としていた街並みが、しゃきっと背筋を伸ばし始めた気がします。やはりこの街は、楽しそうに歩く人々の姿があってこそ。みんなに愛され、褒められ、憧れられて、パリは輝き続けているんですね。

モンマルトルの丘に建つサクレクール寺院。本来、大階段にはびっしりと人が座っているのですが…おかげで初めて階段の真ん中を歩きました。

5月半ば、2か月立ち入り禁止だったエッフェル塔前の公園は草がぼうぼう!世界屈指の観光スポットのこの光景はなかなかショッキングでした。

間引き運転中の観光バスがたまたま2種類並んだ、最近では珍しい光景。人気の2階席も今なら座り放題。

7月半ば頃からセーヌ川クルーズが再スタート。ボートが動き出し、静かだったセーヌが波打つのを見たときは、ちょっと感動しました。

美術館や博物館は完全予約制となり、入り口の長い列もありません。ルーブル美術館のピラミッド前もこの通りがらがら。こんなに広かったんだ…

高級ブランドが集まるヴァンドーム広場も人はまばら。モニュメントのてっぺんに立つナポレオンもさぞびっくりしているはず。

ファッション誌などでも人気のパリの代表的な撮影スポット「アレクサンダー三世橋」。橋の欄干の場所取り合戦も今はお休み中、がらんとしています。

フランスの名物料理がぎゅっと集まった、観光客がメインの5区の路地。お店のおじさんたちも目を合わせては、肩をすぼめていました。

ナポレオンの棺があるアンヴァリッド。現在は団体ツアーも、ずらりと道を埋める観光バスもなくとっても静か…でも屋根の存在感は健在です!

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