【2022年マイベストブック】写真家・中川正子さんが家族愛に共感した本

書籍『ただ、一緒に生きている』の表紙

本に囲まれて暮らす読書好きな方々が、今年刊行された書籍の中で最も心に響いたおすすめの1冊をピックアップ。それぞれの作品の魅力を語っていただきました。今の時代を写しとった文芸作品から、生き方や想いに共感した本、学びのための本まで。新たな出合いのきっかけに、ぜひ手にとってみてください。

娘や家族への真っ直ぐな想いに共感

書籍『ただ、一緒に生きている』の表紙
ただ、一緒に生きている』坂本美雨
ひとり娘なまこちゃん(愛称)との6年間を綴ったエッセイ。今まで語られなかった父・坂本龍一、母・矢野顕子とのエピソードも。1,760円(光文社)

著名な両親をもち、表現者である彼女がひとりの人間として生の言葉を紡ぐエッセイ。愛する娘を育てる日々を率直な言葉で描くと同時に、自身の親子関係や子供時代についてもおそれず語る勇気ある姿に胸を打たれました。子育てはある意味、自分の子供時代や思春期を見つめ直す作業にもなると私も感じており、その点に強く共感します。

『ただ、一緒に生きている』。本のタイトルにもなったこの一文に彼女の生きる姿勢と理想が詰まっているように思います。親も完璧な人間ではないし、子供は親の所有物ではなく独立した人格をもつ対等な存在である、と。子育ては地域やコミュニティとの関わりが欠かせないと私は思います。人生の先輩のひと言に助けられたことも。子育て当事者の奮闘を、そんな視点から読んでいただくのもよいかもしれません。

『クウネル』2023年1月号掲載

写真/玉井俊行、取材・文/𠮷川明子、編集/矢沢美香

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