そうだ、京都に行こう!そんな気分を盛り上げてくれる『京都 季節を楽しむ暮らしごと365日』

ウサギの置物がたくさん並んでいる

旅をお休みしていた数年を経て、久しぶりにあちこち出かけ、見聞を深める旅行を楽しんでいる方も多いのではないでしょうか?マチュア世代に人気なのは、何と言っても京都。春夏秋冬どの季節も美しく、多彩な表情があります。そんな京都の魅力を「暮らす人」の視点で紹介した書籍『京都 季節を楽しむ暮らしごと365日』(主婦と生活社)より、一部を抜粋してご紹介します。

特別なことをしなくても豊かな気持ちになる。楽しいこと、おいしいもの、好きな人がゆるやかにつながっていく 。京都の日常から見つかる日々の小さな発見が愛おしい古都の春夏秋冬「幸せのヒント」。

京都 季節を楽しむ暮らしごと365日』 では、京都にゆかりがあり、京都をこよなく愛する方々がそれぞれに見つけた小さな発見、日々の楽しみを紹介しています。春夏秋冬、季節の移ろいを感じさせてくれる二十四節気ごとに、1日1ページ365日分が登場。日記のような感覚で楽しめます。

今回は、365日分のなかから12月と1月の「暮しごと」を抜粋してお届けします。師走とお正月の京都は、魅力いっぱいです。


■京都のおすすめスポット


河原町丸太町にある「元祖ラーメン大栄」のラーメンが置いてある
【小雪/十二月六日】〈味だけではない魅力〉 河原町丸太町にある『元祖ラーメン大栄』。オーソドックスな京都ラーメンながら、飽きのこない味わいに、お店はつねに常連客でいっぱいです。また、 極薄にスライスされた、よく味の染みたチャーシューが惜しげなく大量投入されている点も人気の理由のひとつでしょう。ただしここは日本有数のラーメン激戦区の京都。 味だけでやっていけるほど甘くはありません。僕が注目しているのは、耳に7つのスタッズピアスが光る、シルバーなショートヘアの女将さんです。白シャツの襟を立て、背筋をピシッと伸ばした彼女この、客に媚びない接客が気持ちの良いことといったらありません。彼女の存在が、味と並んでこの店の大きな魅力であることは間違いないでしょう。photo&text:Yuki Homma
喫茶マドラグのCOFFEEと書かれた青い看板と店内の様子が伺える
【大雪/十二月八日】〈京都の喫茶文化を楽しむ〉有名無名問わずセンスの良いお店が多い押小路からすま通。烏丸通から西へ足をすすめると現れる青いCOFFEEの看板が、京都喫茶文化の守り人が営む 『喫茶マドラグ』の目印です。 ここに来たらどうしても卵サンドを食べなくてはなりません。今はなき人気洋食屋さんのレシピを受け継いだそれは、ここでしか食べられない唯一無二の味です。 店主が受け継ぐのは卵サンドだけではありません。昭和の時代から50年続いた喫茶店を受け継ぐ形でスタートしており、店内各所でその面影を大切に残している様子がうかがえます。 おいしくて、洒落ていて、居心地が良い喫茶店、だけじゃない、どこか一本、筋の通った何かを感じる大切なお店です。photo&text:Yuki Homma
仕立て屋さんの女性が作業場で作業をしている
【大雪/十二月十二日】〈夢を叶えてくれる仕立て屋さん〉洋服を仕立てる作家さんはいろんなところにおられますが、京都にアトリエを持つ「日服」さんはひと味違います。気に入っていた洋服に穴が空いてしまった時も日服さんに頼むと、実に素敵になって戻ってきて、新しい気分でまた洋服と出会い直せるつくろような繕いやお直しをしてくれます。また、子どもの卒園式に着せるのに、こんなのを作りたいからとか、マッサージサロンでオイルがついてもいいエプロンを作ってほしいとか、菓子店でお茶のセットを置くためのマットをなど、個人的に夢のようなオリジナルの仕立て屋さんになってくれるのです。穏やかで大らかな彼女の心が作り手の気持ちを汲み取っ てくれて、シンプルながらも細やかでしっかりとした縫製はとても信頼されている、世界でひとつのオーダーメイドの仕立て屋さんです。photo&text:Eriko Ueda
チョコレートケーキとコーヒーが置かれている
【大雪/十二月二十日】〈女将の達筆が素敵なカフェ〉街の賑わいに疲れ、少し心を静めたい時には(左京区にある)吉田山に登ります。山と言っても標高100m ほどの丘陵。吉田神社の境内である吉田山は神楽岡と呼ばれ、地元の人の憩いの場。木漏れ日や木々の葉を揺らす風、草や土の香り、小鳥のさえずり。樹木が生い茂る山道を歩くと、靄がかかっていた心が浄化されます。その気分のまま、東に下ったところにある「吉田山荘」へ。東伏見宮家の別邸として昭和7年に建てられた建物は旅館になっており、敷地内にはカフェしんこかん 「真古館」があります。やっとひと息つくと、運ばれてきたコーヒーとケーキには、達筆な書が。「吉田山荘」の女将が季節に合わせて和歌を書いているしそう。このささやかながら、心に沁み入る心遣いを胸に納め、また街の喧騒へ戻っていきます。photo&text:aromateabase
お皿いっぱいにローストビーフが盛り付けられている
【冬至/十二月二十三日】〈とびきりのごちそう 、ローストビーフ〉パーティーシーズンの到来。いろいろな料理を準備しますが、自分がおいしいと思うものを買い込んで振る舞うこともしばしばです。そんなときに一番 に思い浮かべるのが、北山大宮近くの『かわきた屋』さんのローストビーフです。脂の乗った上質の牛肉で作られた大判のローストビーフは薄ーくスライスされていますが、食べ応えは充分、口に入れた瞬間とろけ出すお肉のうま味がたまりません。店主の川北さんは、若い頃は画家を目指しヨーロッパで絵画を学んでいたそう。本場のソーセージやハムの味に感激し、製法を独学で習得されたのだとか。ローストビーフ以外にも絶品のハムやソーセージ、お惣菜などがたくさん並んでいて目移りしてしまいます。店内に飾られているいくつかの絵画を眺めるのも楽しみのひとつです。photo&text:Naho Masumoto
茶色いテーブルの上に菜箸がはいったコップが置かれている
【冬至/十二月二十八日】〈仕事納めの菜箸と灰汁すくい〉十二月最後の教室が終わり棚卸と掃除をして、菜箸と灰汁すくいを新しいものにして仕事を納めます。 菜箸は毎日使ううち先を焦がしてしまったりほんの少し欠けて長さの違うものを見ないフリして使ったりしているのをひと組ずつではなく一斉に変えると、思っていた以上に清々しく気持ちの良いものです。手に合いそうなものを試しては戻り、を繰り返し、今は『市原平兵衛商店』の盛り付け箸、有次の菜箸が定番です。灰汁すくいは毎日ジャムを炊くときに使う、なくてはならないもの。時々直火で炙って網目を掃除して使っているうち年末にはだいぶくたびれてきます。有次の灰汁すくいはこれ以上ないほどシンプル で丈夫で安価で文句なし。何本買ったかわからないほど人にも勧め、工房でも20年近く使っています。 photo&text:Mitsuko Morishita
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■京都のお正月


赤と白の寒天のようなデザートが瓶に詰められてテーブルの上に置いてある
【冬至/十二月二十九日】〈おせちの仕度あれこれ〉年末の錦市場の混雑を知りつつ、いや白味噌は直 前でないと、なんて理由をつけて何度も通う年の瀬。おせちの材料もお雑煮の白味噌もお正月飾りのお花もみな揃うし、毎年同じところで同じものを買うことも行事のひとつのような気がして楽しみに出かけています。黒豆と白味噌は決めたお店のものを。一応あの店の鮭も冷凍しとこか、みんないたら小豆を炊くのもいいかも……。お正月を理由にいつの間にかあれこれ買い込み、大掃除ですっきりした冷蔵庫はあっという間にいっぱいに。我が家のおせちは毎年少しずつ変わりますが、材料を数日かけてメモして買い物は三十日までに。三十一日に一気に20種ほど作り、一日の朝、大皿に盛りつけます。どれもほんの少しずつ、1〜2回で食べ切ってしまうくらいの量を作るのが、また来年も楽しみになるコツです。photo&text:Mitsuko Morishita
京都南座横の『松葉』のにしんそばがテーブルの上に置かれている
【冬至/十二月三十一日】〈年越しには「にしんそば」〉京都ではどちらかと言うと、おそばよりおうどんの文化なのかなと思います。そんな京都でも年越しはおそばをいただきます。「年越しそば」と言えば、 日本人にとって重要な年末の行事ですね。この日にそばを食べなければ、新年を迎えた気にならないと言う方も少なくありません。さて、年越しそばと言えば、どのようなそばを思い浮かべますか?今でこそ年末にはさまざまなそばが並びますが、昔は京都では年越しと言えば「にしんそば」でした。ニシンの身をほぐすと、ニシンだしの脂と甘辛いうま味が出汁に溶け出す味わいが最高で、食べ進めていくうちに濃く深い味わいになります。にしんそば発祥といわれている京都南座横の『松葉』さん。京都駅店がありますので、新幹線に乗る前にぜひどうぞ。photo:Keigo Ishibashi / text:Tomoko Tsuda
雑煮が赤いテーブルの上に乗っている
【冬至/一月二日】〈京都のお雑煮はお正月以外にも〉一年の計は元旦にあり。日本のお正月の食卓に欠かせない料理のひとつといえば、お雑煮。お雑煮を食べることで人々は一年の無事を祈ってきた風習があります。京都は昆布出汁に白味噌仕立て。餅は丸餅。焼かずに別鍋で茹でて合わせます。具材は大根に金時人参と少なめの紅白雑煮。最後に柚子とかつお節をかけて出来上がり。白味噌がまろやかな味わいにしてくれて思わず笑みがこぼれます。お正月以外でも白味噌のお雑煮が味わえるお店が、下鴨神社のそばにあるお茶屋さん『加茂みたらし茶屋』です。みたらし団子発祥の店として有名ですが、ここでは季節に関係なく、年中白味噌のお雑煮がいただけます。家で食べるものと思っていたお雑煮ですが、外でいろんなお雑煮に出会うのもありかもしれません。 photo&text:Tomoko Tsuda
アトリエIchirinのおせちが赤いテーブルの上に置いてある
【冬至/一月三日】〈追加募集限定1個のおせち〉京都には、多くの仕出し屋さんや京料理のお店があり、おせちをどこにしようとか考えるのも楽しいものとなっています。仕出し屋さんで、おせち料理に入れる単品を選んで、自宅のお重に自分で詰めるということもしていました。近年は、友人でもある、京都で人気のお弁当を作られる『円卓』さんのおせち料理を予約したり。昨年(2021年)はギリギリまで仕事に追われ、すっかり忘れて、十二月下旬に。どうしようかなと思っていると、「円卓」さんに紹介していただいていた「アトリエIchirin」さんのインスタグラムで、「追加募集、限定1個」との文言が目に入り、即、連絡して予約できました。 岡崎で料理教室と出張料理をされていて、一品一品が丁寧に手作りされ、美しくておいしい。購入できて、よい年始を迎えることができました。photo&text:Nao Daimon
根引き松が飾られている玄関
【冬至/一月五日】〈華やかなお正月飾り〉松の内の期間、京都の散歩の楽しみはお正月飾りです。 東山や祇園などの旅館や料亭、お茶屋さんなど、店先のお正月飾りを眺めながら歩きます。年神様に来ていただく目印の依代として用意される門松ですが、シンプルに竹を足元の若松と藁で巻くだけの関東の門松に比べると関西のものは華やか。竹の周りに葉牡丹、梅の木、南天、熊笹にユズリハなどが添えられています。京都の旧家や社寺などでは、「根引き松」と呼ばれる根のついた松を飾るところもあります。根には土がついたままの松の中ほどを和紙で巻き水引をかけたもの。左右対称ではなく、向かって左側に力強い棘をもつ雄松(黒松)、右側に柔らかい葉の雌松(赤松)を組み合わせるのが正式だそうです。photo&text:Mikiko Toshima
カリフラワーのパスタが皿に乗っている
【小寒/一月十二日】 〈冬だけのカリフラワーのパスタ〉河原町五条を少し下って西に入ると『九時五時』 というお店があります。店名どおり、朝の9時から夕方5時までおいしいお料理やお酒、焼き菓子などがいただけるお店です。カリフラワーのパスタはカリフラワーの旬、冬の時期だけ登場します。一見シンプルなペペロンチーノのようですが、パスタの下にカリフラワーのねっとり甘いペーストが潜んでいる驚きの逸品です。同行させてもらったことがあるのですが、店主の大杉さんは朝4時起きで中央卸売市場へ出向き、鮮魚を中心に旬の食材を仕入れています。 彼女のセンスや独創性が光る素材の組み合わせで、見た目にもおいしい料理の数々が提供されますが、この季節なら、優しい甘みとうまみが凝縮した旬のカリフラワーのパスタにいちばん惹かれます。photo&text:Naho Masumoto
Boulangerie OPERA Kyotoのパンが包装紙に包めれて2つ置かれている
【小寒/一月十三日】 〈京都で絶対に食べたいパン〉京都は人あたりのパンの消費額が日本一であることをご存知ですか?京都人がここまでパンを愛する理由───京都には伝統工芸がたくさんあり、職人の朝は忙しいのでパンをよく食すなんて説があったりも。あらゆる地域からパン職人が憧れを持って集まる傾向があり、京都はパン屋の激戦区なんです。 そんな競争率の高い地域でひときわセンスが光る極上パンを生み出すお店が『Boulangerie OPERA Kyoto』。地元の素材をメインに、発酵に3日をかけるフランスの伝統製法で作っています。この融合により風味や食感が違うパンができるとか。近年、堀川今出川を東へ白峯神宮の東隣を上がったところにマフィン専門店もできました。豊富な種類のオリジナルマフィンはお持たせにも最適。丁寧に作った『OPERA』のパンを食べるのは至福の時間です。photo:Opera-Yuko / text:Tomoko Tsuda
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※本記事は『京都 季節を楽しむ暮らしごと365日』からの抜粋です。

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