介護をがんばるあなたへ。知っておきたいサポート活動や便利アイテム情報

那須明美さんのバストアップ

〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの那須明美さんはケア・マネージャー歴20年と、介護の現場の大ベテラン。介護世代でもある「マチュア世代」のために、介護のお話をしていただきます。

介護の只中にいると日々目の前の「小さな難題」に取り組むだけで手いっぱい。ついつい視野が狭くなりがちです。時には煮詰まって「少し目先を変えたいなー」なんてことも。そんな方に那須さんが伝えたいのは、地域には気軽にのぞける認知症カフェなどいろんなコミュニティがあるということ。

那須明美さんが街並みをバッグに立っている

認知症カフェや外出プログラムの利用で息抜きを

「地域包括支援センターを中心に、グループホームやボランティア団体、薬局、デイサービスなどさまざまな運営団体による「介護者のつどい」や「認知症カフェ」などがあります。お茶とケーキでひと息つき、音楽を聴きながら同じ立場の人とおしゃべりや情報交換をしたり、グチをこぼしたり。

『同じ経験をしている仲間の話を聞きたい、話を聞いてほしい』『どうして私だけ?というイライラの持って行き場がない』といった方は、百聞は一見にしかず。一度のぞいてみてはいかがでしょう。

なかには認知症の方がウェイターやウェイトレスとして参加できるカフェがあったり、家族やスタッフと一緒にバスで大きな公園に出かけるような外出プログラムが企画されるなど、地域によってさまざまな取り組みがされています。私が担当する利用者さんも、通所リハビリの事業所が半年に1回企画する、家族同伴のバスツアーに参加して楽しかったと喜ばれていました。スタッフがいるから心強いし、引きこもりになりがちな本人も家族も行動範囲が広がり、生活の質にプラスになります」

デジタル機器を介護に活用

介護に直面している方に話を聞くと、少しでもスムーズにケアができるようにと自分なりの工夫を凝らしている人が多いようです。クウネル本誌でも活躍されるカメラマンの方は、離れて暮らす母親の介護でスマートスピーカのグーグルホームを使っていたそうです。

「最初は予定をカレンダーに登録して、それを毎朝確認してもらうつもりでしたが、何度教えてもウェイクワードの『OK グーグル』が『OK グルグル』になってしまい、それは断念(笑)。こちらがiPhoneで入力した予定を決まった時間に音声で読み上げてもらう方法に変えて使っていました。『おはようございます。今日の予定は⚪︎時にデイサービスです』といった具合に。ほかにArlo Babyという見守りカメラも役立ちました。ウサギ型なので、母もウサギちゃんと呼んでいました。でも実感したのはこういうデジタル機器は介護の初期段階から使って、本人に馴染んでもらうのが大事だということ。要介護度が上がってしまうと難しいですよね」

レンタルから100均グッズまで、介護に役立つ便利アイテム

那須さんも、少しでも介護が楽になるように、いろいろなアイテムを便利に使うことを提案しています。

「よく利用されているのは呼び出しチャイム。家族がつきっきりとはいかないし、1階と2階とでうまく使ったりされてますね。便利だなーと感心したのは24時間自動体交してくれるエアマットレス。寝返りをさせるのは本当に大変ですから。購入するにはハードル高めですが、介護保険が利く福祉用具のレンタル品にあるので、体が自由に動かせない方の床ずれ防止に重宝します。

「また意外に使えるのが100円ショップの日用品です。ノズル付きのドレッシングボトルは、お湯を入れればトイレ介助時に温水洗浄ができます。あるといろいろ便利なのが滑り止めマット。ランチョンマット代わりにすれば片手が不自由な人でも食器のズレ防止に。クッションの下に敷いたり、車椅子のフットレストに貼り付けて足のずり落ち防止にしたりも」

「ほかにもストロー付きのコップやおむつ用の消臭ポリ袋なども役立ちます。介護用品は専門店で購入すると結構値が張ることもありますが、100均で代用できるものも結構あるんです。コスパもいいので、試しに使ってみるのもアリだと思います」

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この記事の
プレミアムメンバー

那須明美

本誌ヘアスナップで登場して以来、度々登場。理学療法士の長男と、美容師の長女(ともに二十代)の母。今は子育てが終わり、おしゃれや美容に関心が。孫との時間が癒しのひととき。

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