東京駅から奥多摩駅まで電車で約2時間15分。「奥多摩」エリアは今月中旬が紅葉の見頃に。渓谷沿いの遊歩道、山々が湖面に映る奥多摩湖、ドライブを選択するなら神秘的な鍾乳洞まで足を伸ばして、晩秋の彩りある風景を目に焼きつけるのもおすすめです。東京の北西部に位置する大自然エリア「奥多摩」の美しい・おいしいスポットをご紹介します。
渓谷沿いの遊歩道で、清流と紅葉の美しい風景を堪能
多摩川上流の御岳渓谷は、モミジやイチョウが鮮やかに色づく紅葉狩りの人気スポット。JR青梅線・軍畑駅入り口信号から青梅街道を沢井駅方面に400メートルほど歩くと、遊歩道入り口があり、多摩川上流まで約4キロの清流に沿ったなだらかな遊歩道を散策できます。
御岳渓谷の遊歩道の終点までには6つの橋がかかっていて、絵葉書のような構図になる撮影ポイントも。おすすめはJR青梅線・御嶽駅そばの御岳橋からの眺め。両岸に色づく紅葉と、眼下には悠々と流れる多摩川でラフティング(ゴムボートでの渓流下り)やカヌーに興じる姿も眺めることができます。
近くには〈澤乃井〉の醸造元である『小澤酒造』もあり、予約をすれば見学コースで回ることも可能です。仕込み樽や洞窟内の湧水などを見学した後は、国道を渡った『澤乃井園』で大吟醸や新酒の試飲を。おちょこサイズで飲み比べもできます。園内では渓流を見下ろす東屋で軽食をとったり、趣ある日本家屋で懐石料理屋や豆腐料理をいただくことも。
橋を渡った反対側の敷地内にある、櫛かんざし美術館や、終点の奥多摩フィッシングセンターまで足をのばして、渓流で釣った魚をその場で焼いて食べられるBBQという選択も楽しい。
ハイキングも楽しめる、紺碧の奥多摩湖
奥多摩湖は、堰き止めてつくられた人造湖。天気や時間帯によって湖面の色が変化して見え、紅葉とのコントラストが美しい。雲取山、三頭山、御前山など周囲の山々の色彩が湖面に映り、渓流とは違った、静寂な表情が楽しめます。JR奥多摩駅からバスで約20分。週末は大体1時間に1本平均なので、タイムテーブルのチェックをお忘れなく。ダムサイトの遊歩道(見晴らしの丘・いこいの路)からハイキングもできます。
並んでも食べたい、里山自慢のきのこ釜めし
たっぷりと歩いた後は、JR川井駅からバスで5分。大丹波の里、『釜めし なかい』で人気のお昼を。しっとりと炊き上げた釜めしは、地元で採れた野菜や山菜をふんだんに使った逸品。きのこ、鶏ごぼうなど全4種類で、少し濃いめの味が疲れた体に染みいるおいしさです。渓流で釣れた新鮮な川魚もプラス1品にぜひ。予約は受けてないため、並ぶことがありますが、お庭を眺めつつ、ゆったり待つのも一興。平日なら前日に電話予約でJR川井駅から送迎もあります。
悠久の時がつくりだした、神秘と幻想の日原鍾乳洞
東京都の天然記念物に指定され、関東でも随一のスケールを誇る日原鍾乳洞。かつては山岳信仰のメッカといわれた切り立つ山々の谷間にあります。年間を通じて11℃という洞内は、夏はひんやり涼しく、冬は暖かい空間。狭い通路を進んだ先には、澄み切った音色の水琴窟や天井知らずの空間も。自然がつくり出したあるがままの景観を存分に楽しめます。洞内はアップダウンがきつい場所も多いので、ご無理なきよう。こちらへは車でのアクセスが便利です。
どこか懐かしい里山の風景から、飽きることのない風光明媚な渓谷、悠久の時が生み出した洞窟まで、東京都と思えない大自然を堪能できるのが奥多摩エリアの魅力。今が見頃の紅葉シーズンに合わせて、友人と出かけてみては。