「自己肯定感をあげよう」の流れのあえて反対へ。60代エッセイスト「思い込みを外したらラクになりました」

お茶と眼鏡

整理収納アドバイザーでエッセイストの青木美詠子さんが「もっとラクに生きるには?」と綴るエッセイ。今回は自分の思考や行動を狭めているかもしれない「思い込み」について。

人ってさまざまな思い込みを持っていると思います。「こうしなきゃいけない」、「○○さえ叶ったら幸せ」、「こういう人生が素敵」など。でも、そういう思い込みって外すこともできると思うのです。たとえば、こんなこと。

1「自己肯定感が高いほうがいい」という思い込み

これは本当にそうなのか、最近特に感じます。私は生まれてこのかた、自己肯定感がずっと低いほうですが、まあまあ幸せに生きてきました。

「私って頑張ってるな」と思うことはもちろんあり、これが自己肯定感なのかもしれませんが、「いや、まだまだ」と思う頑張り屋さん(私も多少)は自己肯定できないかも。

だから、まあ「自己肯定感が高い=幸せとは限らない」というのが今の私の結論です。「自己肯定感を上げないと幸せになれない」風潮にのって、ムリして自分を持ち上げると、かえって落ち込んだりもするのでやめています。

またよく考えると、自己肯定感が低い人って、控えめで「私はできてません」と思ってる人が多いかも。これは日本人に多い気質ではないでしょうか。だから、同じような人は大勢いるのかもしれません。とにかく低いと不幸ではないと思うので、今は自己肯定感のことは考えないでよし、としています。

2「これは自分がやらないといけない」という思い込み

いろんな場面でありますね。特に家事は多そうです。最近思いつくことだと、うちでは夕飯の準備後、コンロが熱いうちに拭くのですが、私がインスタ用におかずを撮る場合、その後で拭いていました。

でも、ある時ふと、夫に「この間にコンロって拭ける?」と聞いてみたら、なんと、できたのでした。多少やり方は違いますが、まあ大丈夫。早くご飯も食べられるし、とても助かることでした。「言ってみるものだなあ」と、目からうろこ。

青木美詠子のキッチン

水で濡らした台拭きですぐ拭いておくと、ひどくはならないコンロ周り。1、2分のこと。10年以上使ってるガスコンロで、この間大掃除しましたが。

でも、何でも言ってすぐできるわけではなく、じりじり数年かけて時々やってくれることも(使用後の洗面所を拭くとか)。が、とにかく早めに「命令ではなく、疑問文で尋ねる」といいかもです。

仕事面でも「会社でコピー用紙を補充するのは、いつも私」という話をラジオで聞きました。親切で続くならいいですが、「なぜいつも私が?」という気持ちが積もるなら、「言わないとわからない」と思います。

家族でも職場でも、とにかく「ご相談」です。「あのー、いつもこれを私がやっていて、つらいのですが」と言ってみるとか。そうしたら、「早く言ってくれたらよかったのに」とあっさり改善もありそうです。難しかったら、会議で分担を決めたりとかも。案外、人はこちらの事情に気づいていないだけかもしれません。

とにかく「相談というSOSを早めに出す」ことです。黙ったままイライラして、憎しみが湧いたりしないように。どうしても言えなければ、「自分もわざとやらない」選択肢もアリかと。

トイレットペーパーホルダー

トイレットペーパーの交換も、ワザとやらないで様子をみてみては。

3「変わらない自分はダメ」という思い込み

「自分の性格を変えたい」、「新しいことを始めて自分を変えよう」ってよく思うことですよね。雑誌の見出しにも多いはず。私も若い頃は特にそう思っていました。

もちろんそれで変化があって、楽しいならいいですが、裏返して「自分は全然変わらない」と落ち込んでいたら、しんどいですよね。

たぶん冷静に見ると、そんなにダメではないと思います。人間誰しもいいところと悪いところが混ざったままで、生きているんだと思います。そして自分で悪い面だと思ってる部分も、裏返せば、いい面なのかも。たとえば「優柔不断=じっくり検討」とか、「落ち込みやすい=改善意識が高い」とか。

だから無理して全部直そうと、気負わなくてもいいんじゃないでしょうか。もし直したいと思うなら「大きくすぐに全部」じゃなく、「小さなことをひとつずつ実行」が大事かと思います。「すぐ怒っていたのを、口をつぐんでみた」とか、「とりあえず1ページ勉強してみた」とか。その小さな事実は大きな自信になると思います。

思い込みって本当に人それぞれ違います。でも思い込んでるくらいだから、自分では気づいていないかも。友達に言うと、「それってこうじゃダメなの?」とか言われ、はっとすることも多いので、思い込み外しには最高です。外せる思い込みは外し、ゆったりいきましょう。

aokimi’s memo

青木美詠子のメモ
青木美詠子のメモ

青木さんに「暮らしを軽くする3つの工夫」をインタビューした動画も好評です。 こちらは、クウネルのWEBでロングヒットとなっている「ヘアサロンに気疲れしてしまう私が、習得したセルフカット術について」という記事に端を発しています。

SHARE

この記事の
プレミアムメンバー

青木美詠子

1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616

IDメンバー募集中

登録していただくと、登録者のみに届くメールマガジン、メンバーだけが応募できるプレゼントなどスペシャルな特典があります。
奮ってご登録ください。

IDメンバー登録 (無料)