着ない服を持ち続けるのはモノに対する嫌がらせかも?!ファッションエディター・昼田祥子さん手放しストーリー/後編
年齢を重ねると、なぜか溜まっていく服やモノたち。服を1,000枚捨てたら、驚くほど人生が好転し始めたという昼田祥子さん。本当の自分が見つかる服の捨て方とは? そこに至った経緯と極意をうかがいました。話題の書籍『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』の著者・昼田祥子さんに話を伺いました。
前編/服を1000枚捨てたら、 心に幸せが入ってきた! からの続きです。
目 次
hint1_ワードローブを循環させよう
服をなかなか手放せない時、その理由を書き出すといいと話す昼田さん。
「私の場合、書き出したところ『服が減ると〝おしゃれじゃない〟レッテルを貼られる』など、笑えるようなどうでもいい理由でした」
文字にすると心を客観視できます。そうすることで、手放す不安と恐れを解消できるのです。
「モノは大事に使わなければいけないという罪悪感も捨てました。むしろ使わないのに手元に留めておくことは、モノに対する嫌がらせと考えました。そしてもちろん新しい服を買っていいんです。むしろ吐いて(捨てて)吸う(入れる)呼吸ができるワードローブこそ健康的です。服を捨てる時は『他人からおしゃれと思われたい』心も捨てると、大切なのは誰かに褒めてもらうことではなく、今の自分に満足する
カジュアルシーンにはサンダル、きちんと感を出したい日はメリージェーン(どちらザラ)。『ドゥズィエムクラス』のブルーのシャツ、『Supreme』のTシャツ、『カオス』のブラウスと3種があれば、2本のパンツで着回せると。
hint2_自分を信頼すれば、 もっと“幹”が太くなる
「服に頼らずとも自分は自分と思いつつ、自分らしさという幹が太くなるには時間がかかります。とくに服捨て中の私はまだまだ細い幹の状態で、人と自分を比べては落ち込む毎日でした」
そこで始めたのが、徹底的に自分を褒めてみるということでした。
「『今日の髪型は決まっている』とか『丁寧にありがとうが言えた』とか」
そうするうちに自分という幹が太くなり、恥ずかしい、格好悪いと思っていたことも包み隠さず話せるように。
「年齢と共に外見が変わり、できないことが増え、自分を嫌いになる人が多いものですが、経験値や豊かさといったかけがえのないものが身についています。もっと自分を褒め、肯定し、私は私と思えばすべてが楽になります」
hint3_視点を変えれば おしゃれが楽になる
「『似合うものがわからない』という声をよく聞きますが、似合うものって毎日少しずつ変わってきます。しかも似合う、似合わないは単なる意見。自
分が着たい服を堂々と着るのが一番」
さらにおしゃれができなかった妊娠中にいくつもの気づきがありました。
「街でファッションスナップをすると、声をかけた相手に圧倒的に多い職業が美容師さんとカットモデル。つまり素敵かどうかは髪型なんだと思い、妊娠中も髪だけは丁寧にお手入れしていました。髪が決まっているとシャツとレギンスでもどうにかなる。さらにアイメイク代わりにメガネ。チーク代わりに大ぶりのピアスと赤リップなど、時間をかけずともそれなりに見える方法を発見。省エネおしゃれは本当に楽」
昼田さんのふだんの服は下の通り。
「ハレの日とケの日のボトムス、それに合う靴を用意し、トップスは同じものを着まわしています。それだけでワンシーズンなんとかなるものです」
アクセサリーは指輪とピアス。愛用するリングは、地球上に存在する資源を活用してジュエリーを制作する〈アドリンヒュー〉。
hint4_私が服から 学んだこと
「服を手放した私は、人と服は互いに影響を受け合っていると気づきました。私の場合は、服を捨てたことで考え方や生き方まで変わりました。そこまではないにせよ、一枚のワンピースでその日1日気分良く過ごせたことは誰もがあると思います。だからこそ愛せない服は今すぐ縁を切りましょう」
着た時に肌にチクッと違和感を感じるとか、肩が少々窮屈なものなどは無理して残す必要がない服なのです。そうして整えた後のワードローブを眺めると、通販より、店舗で買った服の方がクローゼットに残ると気づきました。
「見ていいなと着ていいなは違います。服はリアルショップで買うのがおすすめ。通販の際もできる限り自分の肌で試してみたいと思っています」
目元にインパクトを作るし、化粧が最小限で済むと、昼田さんが愛用するアイウエア。上から順に『I.ENOMOTO』、『MOSCOT』のメガネと『グッチ』、『ayame』、『EYEVAN7285 TOKYO』のサングラス。
hint5_服を捨てたら 心の鎧が外れました
「洋服の〝いるといらない〟が見えたら、仕事や暮らしにも必要か否かが見えてきました。断ったら次が来なくなるかもと、得意じゃない仕事を引き受けたり、家事を完璧にこなそうとして苦しくなることがよくありました」
でも心の鎧が外れて自分の弱さを他人に晒せるようになったことで、それらがうまく回り始めました」
「勇気を出して『これは苦手で』と弱さを見せたところ、得意な人が周りにいてフォローしてもらえたり、家事も諦めて寝ちゃえと思うようになって、体の不調も消えていきました。そうして私のクローゼットが整うと、その波が伝播するように、夫も自然な展開でクローゼットの中のものを手放し、家族の人生が大きく動き出したんです」
PROFILE
ひるた・さちこ
ファッションエディター歴23年。出版社勤務を経てフリーランスに。オンラインや個別でクローゼットマネジメントを行い、100人限定で開催している「100人で人生を動かすプロジェクト」も進行中。Instagram:hiru.1010