アラ還的・友達付き合いのヒント。「すべては、なりゆき」と気負わず、でもちょっとの努力でやっていけたら

〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバー、整理収納アドバイザーでエッセイストの青木美詠子さんのエッセイ。今年の夏の帰省で、古い友人との同窓会を楽しんだという青木さん。歳を重ねたからこその今、友達付き合いの捉え方に変化があったようです。
友と久しぶりの再会。“退職”の話に、ほっ。
この夏、母の13回忌で帰郷した時、久々に中学の女子バレー部の同窓会をしました。私達の代12人中、8人参加。卒業以来の人も。
母の介護の際は余裕もないし、若い頃も自ら誘うほうではないので、長らくご無沙汰でした。でも後述する高校のほうの同窓会(東京)で再会したバレー部のキャプテンと何回か東京で会ってたので、ラインしてみたら、「大丈夫だよ!地元で声かけてみるね!」と言ってくれて。
私は引っ込み思案なのに不思議ですが、実家もなくなった今は、めったに帰らないし、還暦を超え、どうしてるかなと思って。
そして当日。みんな本当に変わってなかったです。私の近況も聞かれたので少し話し、「今、どうしてる?」と聞くと、働いている人などさまざまでしたが、ずっと会社に勤めていた3人が退職していました。
「周りが定年退職し始めたから、そろそろ自分で好きにできる時間がほしくて」とか、「いつ死ぬかわからないからね!」とか言う人も。刺繍したり、スローライフを楽しんでる人も。
その事実になんだか、ほっとしました。もう自分もそういう歳で仕事をやめてもいいんだ、とも思えて。もちろん、その人達はきっちり40年近く勤め上げ、老後も万全なのだと思いますが。
本当はもっと詳しく聞きかったですが、席が遠かったり、急に根掘り葉掘り聞くのも、と躊躇。で、健康やら親のこと、昔の話など喋り続けて3時間半!楽しかったです。
誘われたら行ってみるのも大事。その先に何かあるかも?
この会のきっかけでもある東京での同窓会(高校)は、もう8年前です。かなり年配の方までの伝統的な会で、ホテルで300人規模。その幹事が私達の代に回り、今まで行ったこともなかったですが、うまく引っ張り出され、がっつり準備を手伝いました。
20人程の幹事で寄付金集めから連絡、会場設置、余興などを分担しました。私は企画班で地元のクイズをつくって司会も! 約1年、文化祭のノリでがんばったので、打ち上げでも泣きそうでした。

東京の同窓会で、帰りに分けてもらった花。
その幹事メンバーとは年に1、2回、飲み会の誘いがあれば、会っています(男女10名前後)。大規模な同窓会のほうは、もう欠席ですが(元々苦手)。
私は同窓会に出ないタイプでしたが、人生ってわからないなあと思います。でも感想は「少人数で付き合える人ができてよかったな」です。実はこの飲み会でも「老後、どうしようか考えてる?」とか聞きたいけど、ほぼ聞けず、たわいのない話で大笑いしてるだけですが、それでもなんか、いいのです。
だから何かに誘われたら、行ってみるのも大事だなと思いました。老後、人間関係は狭くなりそうだし。急に機会を求めても、ないかもしれず、その間にみんなそれぞれ仲間をつくって楽しくやっているかも、と逆にこの会に出て気づきました。ずっと家にいるより、たまにお喋りして笑う場所があるのは、やはり気が晴れます。
最近は自分から誘って、気負わない「持ち寄り会」を
最近、この他にも近所の友人で「持ち寄り会」を家族ぐるみでやるようになりました。主に昔ヨガを一緒に習ってた友達(昔の会社の友達とも9年ぶりに!)。これも自分から言い出すのが不思議ですが、近況を聞きたいのと、誘われにくい私は誘うしかないと思って(笑)。気心が知れている&少しずつ知れる家族の集いは貴重です。

持ち寄り会。新しい料理も食べられ、お金もかかりにくく老後にも最高。10時間とか喋ってたことも!
夫は私よりさらに友達が少なく、集まりがほぼ、この持ち寄り会なので、自分も料理1品つくって参加。この歳になると、こういう友達を大事にしないと、とふたりで話したりもします。
その昔、私は気が合いそうな同年代の女性に声をかけ、ランチに行ったりしたこともありました。話は盛り上がったのですが、なぜか発展せず。だから、全部の友達づくりがうまくいくわけではないとも知っています。
「友達つくろう!」と思って、できないと悲しいので「すべては、なりゆき」と思う今。もちろん今も内輪の話ができる人は数人です。
でも、人生の最後にやはり友達は支えになると、年々感じるようになりました。だから気負わず、でもちょっと努力して、でやっていけたらと思います。
aokimi’s memo
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プレミアムメンバー

青木美詠子
1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616