【小泉今日子さんからのメッセージ・後編】過去の私も未来の私も、繋がっているからがんばれる
7月に上演される舞台『ピエタ』のプロデュースと主要キャストを務める小泉今日子さん。上演までの道のりや作品を通して伝えたいことを語っていただいた前編に続き、「記憶」や「時間」にまつわる独自の考えから、人生を楽しむためのヒントをいただきました。
時間は横に繋がっている
舞台『ピエタ』は、少女の頃に好きだったものや大切にしていたこと、記憶のカケラを探す旅の物語。初めて原作を読んだ時、そこに深い感銘を受けたという小泉今日子さん。過去と現在は繋がっていて、幼い頃やデビュー当時の記憶が、今の自分を支えてくれると語ります。
「時間は前に進んでいて、過去は後ろにあるという概念があるかもしれませんが、私は時間って横に繋がっている気がするんです。16歳、17歳の頃の私がすごく頑張って、ちょっと怖いことがあっても勇気を出して一歩進んでくれたからこそ、57歳の私が前に進める気がする。57歳の私が今頑張っておけば、77歳の私はもうちょっと楽に前に進めるかもしれない。そのことに気がついた時、すごく頼もしいなと思えたんです。
過去の私が頑張ったから今の私がここに立っているんだと思うと『ありがとう』と伝えたいし、エールを送りたい。子供の頃の小さな自分に、『そんなことに興味を持ったんだ、偉かったね。おかげで今ここにいるよ』って伝えてあげたいなと思うんです」
今の自分が一歩踏み出せば、過去も未来も変えられる
16歳でアイドルとしてデビューしてから、制作会社の代表を務める57歳の現在まで、立ち止まることなく挑戦を続け、明るく輝き続ける小泉さん。そのモチベーションを支えているものは何なのでしょう。
「新しいことを始めたり、知らないジャンルに足を踏み入れるのはちょっと怖いかもしれないけれど、今までの自分もこの先の自分も、横に並んで手を繋いでいると思うと、なんだかすごく頼もしくないですか?」
「過去に後悔とかネガティブな感情を置いたまま進んできてしまったとしても、今の自分が頑張ったら、過去の自分も前に進むことができる。過去の自分も未来の自分も、今の自分次第で変えることができるんだと思ったら、結構楽しいじゃないですか。だから新しいことを始めるのは、いくつになってからでも遅くない。そんなふうに考えながら生きていきたいなと思っています」
舞台『ピエタ』は、東京公演を皮切りに愛知、富山、岐阜公演へと続きます。小泉今日子さんをはじめ実力派俳優が演じる18世紀の女性たちの物語は、今を生きる私たちへと繋がり、力強いエールを送ってくれることでしょう。
asatte produce『ピエタ』
原作/大島真寿美 脚本・演出/ペヤンヌマキ 出演/小泉今日子、石田ひかり、峯村リエほか
【東京公演】本多劇場
【公演日程】7月27日〜8月6日
【チケット料金】一般8,500円 U-22 4,000円
※チケット発売は6月3日10:00〜、全席指定
【取り扱いプレイガイド】
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/asatte-pieta/
ローソンチケット https://l-tike.com/asatte_pieta/
イープラス https://eplus.jp/asatte_pieta/
東京公演を皮切りに、愛知、富山、岐阜公演もあり。日程などの詳しい情報は下記ホームページへ
明後日 https://asatte.tokyo/pieta2023/
小泉今日子
1966年神奈川県生まれ。オーディション番組をきっかけに1982年にデビュー。歌手として数々のヒット曲をリリース。また俳優としても多くの映画やドラマに出演。2015年に制作会社「明後日」を設立。舞台制作やプロデュース業にも力を入れる。
撮影/柴田フミコ、取材・文/吾妻枝里子