ボタンに魅了され、60歳でボタンを主役にしたジュエリーアーティストになりました。ただひたすらにボタンを愛し、目覚めてる時間は全てボタンに触れていたい！と思っている私です。

アーティストになる前は、長年ファッション業界でスタイリストとして活動していました。スタイリスト当時は、完全に裏方（黒子？）の立場。しかし作品を作り始めるようになると、個展に来てくださったお客様が私との写真をリクエストしてくださる。最初は「私と？」と驚き、戸惑ったことは記憶に新しいものです。そんな私にトークショー登壇の依頼が。

スタイリストのときには、ファッショントレンドやコーディネートのことを。アーティストになってからも、個展の際にギャラリートークをするなど、今までお客様の前でお話することは何度かありました。ですが、今回初めて「片山優子」をテーマに、お話する機会をいただいたのです。改めて自分を見つめ直し、「一体何を話せばいいのか？！」と自問自答する日々でした。

2023年3月12日、NHK文化センター西宮ガーデンズ教室にて、約2時間お話しさせていただきました。当日来てくださったお客様は、ボタンが好きな方やボタンで創作活動をされている方、私の作品が好きな方、私に興味を持ってくださる方、長年お会いしていなかった友人知人など、色々だったと思います。

初めて自分のことを深掘りして話しをするということに、緊張と不安でいっぱいでした。ですが、大好きなボタンのことやファッションについて、皆さんと一緒に共有できる時間だ！と思い始めたら、次第に緊張もほぐれていきました。自然体で素直に自分を表現しようと。

トークショーのなかで話したことは、日々のファッションや、ファッションとスタイルの違い。センスを磨くことや体型管理のこと……。もちろん、ボタンや作品制作のこともお話ししました。長年スタイリストやファッション業界にいたバックボーンにも触れながら、ボタンを仕入れるときに大切にしていることなども。あっという間の2時間でした。

今回のトークショーを通して、改めて自分自身と向き合ってみました。年齢を重ねることは、どんどん削ぎ落とされていくような感覚があります。「素」に近くなっているのでしょうか。好きなモノやコトがどんどん明確になってきて、苦手なものを認めるからこそ、好きという気持ちがもっと強くなってきていると自覚できるものです。

そして、何より「ボタン」の力を再認識しました。ボタンで生み出している作品だから、これだけの方々が集まってくださるのだと嬉しかったです。同時に片山優子の作品が、たくさんの方に興味を持っていただいている、ということも感じることができました。当日お越しいただいた素敵なマダム達とお一人のムッシュ、皆様のおかげです。うれしい感想もたくさんいただきました。

もっともっと皆さんの琴線、私自身の琴線にも触れる作品を生み出していきたいと。自分を信じて、妥協せずに作品を作り続けていきたいです。

さっそく！今月3月25日から京都でシャンデリアアーティストKIM SONGHEと2人展をやるので、その活力にもなりました。イベントでは、同じく〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーのアベクミコさんをはじめ、さまざまなゲストがいらっしゃいます。果たしてどんなことが生まれるのか？今から楽しみで仕方がありません。