君島十和子さん、「50歳過ぎてから物語を楽しむものから気づきを与えてくれる存在」となった運命の3冊

君島十和子さんが人生の指針にし、心を整えてくれた3冊とは?ふとしたきっかけで読んだ本がその後の生き方に大きな影響を与えたり、転機になった運命の本との出会いとその理由を探ります。

PROFILE

君島十和子

2005年スキンケアブランド(現)FTCを立ち上げ製品開発に携わる。美容家としてもメディアやSNS等で美容法を発信し、精力的に活動。

真っ当さと心向を教え、寄り添ってくれる存在

物語を楽しむものから気づきを与えてくれる存在へ。50歳を過ぎた頃から、本とのつき合い方が変わったという君島十和子さん。

「子育てが落ち着き仕事への向き合い方が変わった時期でした。一生懸命取り組むほどこれまでにない新たな迷いや悩みがどっと押し寄せてきて……」

そんな君島さんを支えたのが京セラ創業者、稲盛和夫氏の著書。

「たんなるカリスマの経営論ではなく、生きる上で軸としたいメッセージをたくさん見つけました」。数冊を大切に読み、今は『経営12カ条』をリピート中。また厚労省元官僚の村木厚子氏が冤罪事件を機に半生を綴る『あきらめない』は、育児との両立に戸惑いながらも働く姿にとても共感したそう。

「どちらも実際の経験が描かれていて、小説以上の驚きと力強さを感じ、お二人の信念と人間力に圧倒されました。人としての真っ当さを考えるとともに、勇気を奮い起こせたと思います」

『経営12カ条』稲盛和夫

人としての正しさに基づき、稲盛氏が築いた原理原則をわかりやすい言葉でまとめる。「意志の力や利他の心をはじめ、小手先のノウハウではない深い納得と教えがあります」(日本経済新聞出版)

『あきらめない』村木厚子

国家公務員としてひたむきに働く著者。女性へのエールとして自身と家族の歩みを、そして無実の罪に問われた経験を回想。「何事も大らかに受け止める姿に胸を打たれます」(日経BP社)

人生の指針となる二冊に加え、『精神科医が見つけた3つの幸福』は行き詰まったときに心を整えてくれる一冊。

「科学的に幸せについて解明していて、自分を見つめる客観性と人を思いやる大切さを再認識。読むと気持ちを上手に切り替えることができます」

そして美容家として活動する中でも読書好きでよかったと実感することが。「たとえば、香りやテクスチャー、色の美しさなど化粧品の魅力を伝えるのにも、本からもらった実のある言葉や表現が役に立っています」

『精神科医が見つけた3つの幸福』樺沢紫苑

今すぐできる幸福の実用書。「否応なしに情報を浴びる現代はまるでホワイトアウトのよう。先が見えず翻弄されるときに手を差し伸べてくれる心の処方箋のような存在ですね」。(飛鳥新社)

 

手元に残しておきたい大切な本には「読み返した時自分が何に心を奪われたのかを覚えておきたくて」と丁寧にマーカーを引いて。

『ku:nel』2023年1月号掲載
写真/加藤新作、取材・文/薄葉亜希子

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『クウネル』No.118掲載

私の人生を変えた本

  • 発売日 : 2022年11月18日
  • 価格 : 980円(税込) (税込)

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