大好きなモノトーンの器で、充実の器ライフを送るフランスのマダム。陶芸の楽しさに目覚めてからは、自ら作陶した器も日々の食卓を彩ります。
パリから車で30 分。庭のある一軒家で暮らすヴァレリー・ベルニエさんは、長年「 ELLE」、「GLAMOUR」など、雑誌のアートディレクターとして活躍していました。
「もともとファッションよりライフスタイルや旅に興味があり、3年前に同じ仕事をしていたマリナとともに、世界中のクラフトマンの手仕事を紹介したいとブランドを立ち上げました」
世界中から集めてきた雑貨やインドで作った家具。さらにイタリアやインドの食器も扱っています。
「一年前からやっと自分の時間を持てるようになったので、私も陶芸を習い、 自分の器を作るようにもなりました」 と話すヴァレリーさんは、パーフェクトな形より、少しいびつで素朴さのあるものに魅力を感じるといいます。同じお皿を作っても、色を半分変えたり、飛沫のような柄をつけたり、とクラフト感を大切にしています。
「技術はまだまだなので、小さな花瓶、ボウル、小皿などをメインに作り、 趣味と実益を兼ねています」
また日常で使う、器の楽しみ方も教えてもらいました。
「カジュアルで気取らない食卓が理想です。 庭に咲いている小さな花やハーブを器に活けたり、お皿も合わせず、あえてバラバラのコーディネートを楽しんで います。日頃作る料理もタイ料理やアジアのフュージョン料理が中心なので、器との相性もぴったりだと思います」。
ヴァレリー・ ベルニエさん
Valerie Bernier/「Floating House Collection」ファウンダー。3年前、友人のマリナさんとともにイタリアやインドの家具や食器を扱うライフスタイルブランドを立ちあげた。https://www.floatinghousecollection.com
『ku:nel』2018年11月号掲載
写真 Yas/コーディネート 石坂紀子/文 今井恵