心をリラックスさせてくれるさまざまな「香り」のアイテムは、大人の女性にとって、欠かせない“道具”。大好きなハーブやバラの香りに包まれながら心地よく暮らす方法を、調香師のパリマダムに教えてもらいました。
大学でファインアーツを学び、現在は彫刻家として活躍するサンドラ・レヴィさん。今は長年の夢だった調香の学校にも通っています。
「生まれつき嗅覚が鋭く、いつか香りの勉強をしたいと思っていたんです。香りと彫刻をコラボレーションできたらと思い、勉強している最中です」
香りといっても、その成分には自然のものもあれば、化学素材のものも。 「天然素材だけがいいと思われがちですが、絵の具と一緒で天然の素材だけでは広がりや安定(持続)がありません。化学素材も必要不可欠なものなのだと学びました」
でも自分の定番の香りとなると、やはり好みが先に立ちます。サンドラさ んが部屋に置く香りも、心地よいと感じる天然素材のものが中心です。 「部屋の中にはさまざまな香りの素材がありますが『私の部屋の香り』と聞かれたら、それは暖炉に置いた乾燥させたハーブの香りでしょう」
森の中にいるかのようなウッディノートは、清々しいの一言。そこにシュ ノンソーというバラの香りが時折混ざり、思い切り深呼吸したくなる部屋です。さらにチェストの上にはフレグランスキャンドルが並び、ベランダには育てているハーブがずらり。部屋のあちこちに香りの要素がいっぱいです。
「好きな香りが漂っていると、リラッ クスできるし、喜びを感じて心が穏やかになります。外出先では不快な香りに出合うこともありますが、部屋に帰った瞬間、ほっとするんです」
サンドラ・ レヴィさん
Sandra Levy/調香師。 アメリカの大学でファインアーツを勉強。渡仏し、オペラ座のコスチュームデザイナーの下で仕事をした後、彫刻の道へ。今後は、彫刻×香りの展示などを予定している。
『ku:nel』2017年9月号掲載
写真 篠あゆみ/コーディネート 石坂紀子/文 今井恵