愛媛で“小さな自給自足の暮らし”を満喫中! 移住してよかったこと。 【池田じゅんみさんの移住ストーリー vol.3】

ログハウス リビング

2014年より愛媛で暮らしはじめた、池田じゅんみさん(@junmiikeda)。小さい頃から自然での暮らしに憧れながらも、ずっと都会で過ごしてきましたが、30代半ばで愛媛に移住を決意。今は、小さな自給自足をしながら、大好きな愛媛で楽しい日々を送っています。

移住を決めてから、今のライフスタイルに至るまでどのような出来事や葛藤、大変なことがあったのでしょうか。全4回にわたるショート連載で、池田さんの移住ストーリーをお届けします。vol.3になる今回は、移住してよかったことやお気に入りのログハウスでの暮らしぶりについて。


前回のvol.2では、移住の前後で大変だったことやお金のことなど、リアルなお話をお聞きしました。都会から愛媛に移住してから8年が経った池田さん。今回は、池田さんの今の暮らしをご紹介します。

◆昔からずっと求めていた自然の中での暮らし

都会で生まれ育ち、幼い頃から自然の中で暮らすことに憧れていた池田さん。愛媛で、海も山も徒歩で行けるところに住まうことは、まさに池田さんが追い求めていた理想の暮らしです。

「自然いっぱいの場所で暮らすことにずっと憧れていました。家の窓から見える海はきれいで、山にもすぐ行けます。視界を遮る超高層ビルはなく、人工物が少ないのが落ち着くし、空が広いことが嬉しいです。星空はきれいで、目に優しい緑が溢れていて、土の匂いも澄んだ空気も胸いっぱいに吸い込んで深呼吸できる環境が最高です。そして、野生の動物たちがたくさんいます。庭にも様々な野鳥が来たり。わが家の猫たちも野鳥観察が楽しそうですよ」

森の中でご飯
山でお昼ご飯。
海 瀬戸内海 釣り
「近くの海に、おかずを釣りによく行きます」
釣り 釣果 自給自足
ある日の釣果。
SUP 庭
海や川へSUPへ。
自給自足 野菜 畑
庭に作った小さな畑。
野鳥 海
「家の前の小さな池には、たくさんの野鳥がやってきてくれます」
野鳥 ログハウス
愛猫のトラちゃんが、2階の窓から野鳥観察中。
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◆困ったときは助けを求められる。
温かい人間関係に感動

「移住当初、町内会の掃除や行事のことがさっぱり分からなくて、戸惑うこともたくさんありました。ですが、移住して間もないうちから、優しいご近所さんたちに色々教えてもらいました。さらに、おすそ分けをいただいたりと、とても親切にしていただきました。もちろん大変なこともありますが、助け合うことを学べますし、何より心が温まります。それほど時間がかかることなく馴染めたのは、町内会のおかげも大きいと思います」

次第に「おかえり」や「ただいま」と声をかけ合えるような知り合いや友人がどんどん増えていったといいます。

「私が体調が悪くて寝込んでいるとき、当時4歳で遊び盛りの息子は、遊んでとお願いしてきました。『今は遊べないよ』と謝ったら、息子が紙とペンを持ってきて、『“ママしんどい”って、これにかいて』と言うんです。お手紙ごっこをするのかな?と思って、ギリギリの気力で“ママしんどい”と書きました。そしたら、息子がお向かいさんにこの紙をひとりで持って行くと言い、私の体調が悪いことを近所の人に伝えて助けを求めようとしてくれたんです。都会に住んでいたら、隣の人のこともよく知らないということもきっと珍しくないと思います。移住してからは、こんな風に何かあったときに頼れる人たちの顔が浮かびます。それがどれだけ心強いことか。本当にありがたいこの環境が、わたしも息子もたくましく成長させてくれていると思います」

今では、小学校から自宅の通学路に、何か困ったことがあったら子供が駆け込める家が何軒もあることも安心だそうです。

ログハウス
「移住して間もない頃、優しいお向かいさんが、花の苗をおすそ分けにと玄関先に置いておいてくださいました」
カゴ
「斜めお向かいの大きな古い一軒家を解体すると聞き、探検させてもらって、廃棄されるものを快く譲っていただきました」
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◆手入れしながら、味わいと愛着が増していくログハウス

Instagramでは、ログハウスでの暮らしぶりが人気の池田さん。移住を準備する中で出合ったログハウスが気に入って、ログハウスで建てることに決めました。また、購入した土地はオーシャンビューのロケーション。大きな窓から海がよく見えるような向きで建てたそうです。

「ログハウスは、ワイルドな家!という印象がありました。でも住んでみたらとても快適でした。夏は涼しいし、冬はあったかい。住んでから気づいたのですが、家のほとんどが木でできているので、どこにでも棚がつけられるんです。補強しなくてもテレビも壁につけられるので、家具がそんなにたくさん必要ないのもとても便利で。レイアウトを変えたければ一旦外して、また別の場所にもつけられる。壁には穴が開いてしまいますが、夫も私も“家を使い切るぞ”という感じで、家の味になっていくのを楽しんでいます」

ログハウス リビング 吹き抜け
「リビングの大きな吹き抜けが気に入っています」
ログハウス 子供部屋 DIY
子供部屋の写真。学習机は夫によるDIY。
ログハウス
ゲストルーム。
ログハウス 手作り小屋
「手作りした小屋で庭の栽培計画を考えたり、コーヒー飲んだり。写真のパンはお向かいさんからのおすそ分けです」
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◆毎日幸せを噛み締める。
そんな場所に出会えたこと

「愛媛での暮らしは、私にすごく合っていました。この土地が大好きですし、ここでの暮らしが最高だなと毎日思います。色んな方から『じゅんちゃんはいつも楽しそうね』と言われます(笑)。8年経った今でも、まだまだ知らないことがたくさんあることが新鮮で、植物や野鳥の図鑑や、木工の本などが本棚に増殖中です。銀行やスーパーに行くついでにあの野草を摘んで帰ろうとか、静かな浜辺でのんびりコーヒーを飲んだりとか、小さな幸せがそこらじゅうにあります。私にはそれで充分なんです」

そして、息子も愛媛での暮らしが大好きだそう。

「11歳になった息子には、愛媛でも夫の転勤先でも好きな方で暮らせる選択肢を伝えています。息子は、今は愛媛が良いと即答。子供にも選択肢があるからこそ、今の暮らしに向き合う機会になっているようです。幼かった息子がパパに会いたいと泣く度に、とても苦しくて胸を痛めたあの日々が、ようやく報われた気がします。息子に故郷と呼べる場所を用意できてほんとうに良かったです。夫の転勤先に遊びに行けるのも、家がもうひとつあるみたいで楽しいと思えるようにもなれました。他にも色々大変なことがありましたが、家族みんなで頑張れているのは、自分たちで移住地を決めた大好きな場所で暮らせているという深い満足感も大きな支えになっています」

最終回は、“小さな自給自足の暮らし”を行う、池田さんの今の暮らしやこれから未来のことをお届けします。(vol.4に続く)

取材・文/阿部里歩

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