遠出が難しく、自由に人に会うこともままならない昨今。こんなときこそ、「近場」の魅力を再発見する良い機会だと、都内に家族三人で暮らすイラストレーター・杉浦さやかさんは話します。
杉浦さやかさん
すぎうらさやかさん / イラストレーター。書籍・雑誌をはじめ、幅広い分野で活躍中。近著『ニュー東京ホリデイ 旅するように街をあるこう』(祥伝社)では、‟東京を旅するようにあるいてみよう”をテーマに、変わりつつある日本橋や丸の内、ノスタルジックな街並みが残る原宿や上野など、魅力的な9エリア合計158カ所の、おいしい、かわいい、ちょっとレトロなスポットを紹介している。
「年に数回、夫の実家がある九州へ帰省することが家族全員の楽しみでしたが、最近の休みは行き先が変更に」と、杉浦さん。
では、どちらへ?
「浅草です。天然温泉を備えた和風ホテルに一泊しました。浅草は大好きな街のひとつで、もちろん何度も訪れていますが、モーニングを食べたり、水上バスから見る景色は、知らない街へ来たような新鮮さがありました」
さらに、最近手に入れたお気に入りがあるといいます。「さぼうる」や「洋菓子タカセ」など、東京の名喫茶の看板メニューを本物そっくりに再現した「純喫茶 ミニチュアコレクション」。
「知人の難波里奈さんがプロデュースなさっていて、純喫茶好きの大人にはたまらない玩具です。今、お人形遊びの好きな娘に奪われているのですが、コーヒーだけは本棚に飾っています」
杉浦さんのお話を聞いていると、東京にはまだまだ知らない景色や魅力が溢れていることに気づかされます。次の休日は、新しくて懐かしい下町散歩に出かけてみるのもいいですね。
『ku:nel』2021年1月号掲載
取材・文 権 佳恵