引田かおりさん・60代からの快適暮らしのヒント2/家族のアルバムは各人1冊にまとめてそのほかは処分したらスッキリ

あの家が片づいている理由。その秘訣や心がけていること。教えてもらったら、なるほど、取り入れてみたいことがこんなにありました。吉祥寺でギャラリーとベーカリーを営む、引田かおりさんのご自宅。住まいを整えるためには、アルバムも引き出しも詰め込まないこと。引田さんの美学に感服です。

引田かおりさん・60代からの快適暮らしのヒント1/あちこち出かけなくとも、我が家を最強のパワースポットにからの続きです。

家は大切な場所だから、 すっきりきれいにしようと思う。

現在は独立した娘と息子、そして引田さん夫婦の4冊のアルバム。上は夫の幼少期の写真。昭和の少年のたたずまいがとってもキュート。

「前の家からここへ引っ越してくるとき、天袋に子どもの写真がたくさんあって、しかも何年も見ていない」。そこで夫が息子と娘、家族4人の幼少時代から現在までの写真をそれぞれ1冊にまとめました。それが右ページの4冊のアルバム。ここに収められたもの以外はすべて処分しました。「えっ、それも捨てちゃうの?って、その時は思いましたけど、いまはお正月などに家族が集まったときは何度も見返して楽しんでいます。処分したことを全く後悔していないです」。ほれぼれするほどの思い切りの良さです。

\引き出しの中もすっきり気持ちよく/

『無印良品』の仕切りを活用したジュエリーの引き出し。あまり身に着けなくなったものは順に姉妹や若い人に譲って、詰め込むことはしない。

道具が雑然としがちなキッチンもすっきり。つい冷蔵庫などにくっつけたくなるキッチンタイマーも引き出しの中。「外に出しておかなくても、音はちゃんと聞こえますよ」。

仕事机脇に置かれた夫の文房具やポータブルスピーカー。猫のミニポーチは『eleven 2nd』のニット。険しい表情の猫の刺繍が魅力的。

キッチンや寝室の引き出しはいつもすっきり、冷蔵庫の中もあっけないほどがらがら。暮らしに本当に必要なものはなにか、使わないものが澱んで停滞していないか。この家のシンプルで無駄のない美しさは、住む人のそんなマインドが作り出しているのです。

細々した台所道具もすべて収納されて、清々しいキッチン。反対側に食器や食材を保存する機能的なパントリーが。

\浴室も寝室もホテルライクで/

「新宿のパークハイアット東京に出合ったとき、モノトーンでスタイリッシュで、私の理想の空間って思ったんです」。その理想を体現したような浴室。「ホテルの清潔で片づいているところが好き」という言葉そのもの。

こちらもホテルライクなシンプルな寝室。出窓には夫の趣味でもある骨董の仏像や美術家・内田鋼一さんの作品が並ぶ。

築18年の家をフルリノベして住んで9年、1LDK、広さ150平米。玄関のイイノナホさん作のガラスボールのシャンデリアが美しい。

PROFILE

引田かおり/ひきた・かおり

ギャラリー「フェブ」・パン屋「ダンディゾン」オーナー
吉祥寺にて夫と共にギャラリー、パン屋を営む。『日々更新。風通しよく年を重ねていくこと』 『「どっちでもいい」をやめてみる』(ともにポプラ社)など著書多数。

『クウネル』2025年5月号掲載 写真/木寺紀雄、取材・文/船山直子

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