季節によって変化する借景が魅力。古い道具と家具の似合う家ーグラフィックデザイナー・清水里織さん【住まいと暮らしvol.61】

今は濃い緑がいっぱいの景色。「裏の林の木々は雨の日でもしっとりした風景できれいですが、落葉樹が多いので、冬は早くから朝日が差し込みます」

アート作品や子どもの描いたものを壁に。黄色い作品は、大好きだという絵本作家、荒井良二さんのもの。「展覧会では気に入った作品のポストカードを買って、月替わりで飾ったりもしています」

玄関側から見たダイニング。「いつも猫に邪魔をされながら、ここで仕事をしています。反対側に座って裏の林にくる野鳥を見ながら仕事をするときも。冬はピーナッツリースでおもてなしします」

玄関にある陶器の招き猫。「地元の骨董品店で購入。とぼけた顔がかわいい。ところどころ色がはげているのはみんなに撫でられてかわいがられてきたのかな、と想像して楽しんでいます」

ダイニングから見た玄関。「北寄りの方角ですが、階段上の吹き抜けの天井には天窓があるので明るいです。季節によって階段に陽だまりができるので、暖かいのか猫が集まってきます」

子猫のときに拾ってきたという愛猫は二匹。「一匹はキジトラの女の子ホタル。ソファと本棚のデッドスペースがお気に入りの寝床です」

もう一匹は白黒の男の子チャオ。「初対面の人のかばんに自分から入ってしまうほど、人懐っこい性格です」

キッチン側からのリビング。「子どもも自分の部屋より、ここで過ごしていることが多いです。家族で映画を見たり、猫と遊んだりして過ごしています」

リビングの一角。「古いガラス戸の棚に無骨なライト、段重ねの木箱は小物の収納に使っています。古い道具や家具は高価なものはありませんが、色や形に惹かれて、少しづつ買い足してきたもの。陶器の皿は、子どもが小さい頃に陶芸体験で作ったものです」

食器は作家さんのものや骨董市など、長年かけて少しづつ増やしてきたそう。「義父の手作りのものもとても重宝しています。機能的だけどシンプルすぎない、温かみを感じるものに惹かれます。陶器は大事にしていてもどうしても欠けたり割ってしまったりしてしまうので、素人ですが自分で金継ぎして使っているものもあります」

普段はじっくり考えて買い物するようにしているという清水さんが、珍しく衝動買いしたという成田理俊さんのフライパン(左)。「何年か前に偶然入った雑貨屋さんで一目惚れ。ずっと使い続けています」

チェコやハンガリーなど、東欧の作家の絵が好きだという清水さん。「古本屋さんを巡って絵本などを集めています。特にハンガリーのレイク・カーロイの絵が大好きです」

チェコのマッチラベルや、古い砂糖袋、乗り物チケットなどの紙ものもコレクション。「経年の味も魅力的ですが、古い印刷物独特のズレや色味、ざらっとした紙の質感などが好きです。イラストを描くときの参考にすることもあります」

インドの出版社「タラブックス」より直接取り寄せたシルクスクリーン印刷の作品。「『夜の木』という本に出てくる一場面。とても存在感のある作品です」

毎年作っているというオリジナルのカレンダー。「リソグラフという印刷方法で印刷した12枚綴り。どんなイラストを何月にするか考えるのが、毎年の楽しみです。どんなところにかけていただけるのか想像しながら作っています」

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の藤川千恵さんのバトンを受けてご登場いただくのは、グラ ...[続きを読む]

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