【ワタナベマキさんの住まいの履歴】内にも外にも。緑たっぷりの風通しの良い住まい

2年前、ヴィンテージマンションに引っ越したという料理家・ワタナベマキさん。仕事柄、家の心地よさは優先事項というマキさんの、住まいへのこだわりや思いを伺いました。

PROFILE

ワタナベマキ

グラフィックデザイナーを経て料理家に。テレビや雑誌などで提案するシンプルでセンスのいい料理が人気。『時間をかけて作りたい料理』(学研)、『韓国ドラマの妄想ごはんレシピ帖』(主婦と生活社)など著書は多数。Instagram:@maki_watanabe

内にも外にも。緑たっぷりの風通しの良い住まい。

アンティーク家具店『pejite』で購入した棚には、主にガラスの器を収納。

高台に建つヴィンテージマンションに引っ越したのは2年前。「ここに住みたい!」と決め手になったのは、中庭やエントランスなど、敷地内のあちこちに植えられた木々がとても感じよかったから。そして、リビングルームと同じぐらいの広さを持つテラスの存在が大きかったようです。約38m²のテラスからは大きく空が見え、気持ちのいい風が入ります。ローズマリー、バジル、しそ、山椒などハーブ類が生き生きと育ち、家庭菜園の一角も。それらはマキさんの料理に彩や香りを添えています。

「料理の仕事で、キッチンにいる時間がとても長いので、家の心地よさは暮らしのなかで優先事項。私にとっての心地よさは、光と緑がたっぷりあることです」

広いテラスは「第2のリビング」のよう。朝はこのテラスに向かって、ストレッチや深呼吸をする。

前の家とほぼ同じ寸法でつくったというキッチン。「調理動線や使用感が変わらないのでスムーズです」

デザインの本や海外の料理書などが置かれたグリーンコーナー。「カルデサック」の青森ヒバのチップやディフューザーが良い香りを放つ。

窓際のYチェアは、冬の間、愛猫・ハットリくんの指定席に。

キッチンのオープン棚。上段にはお茶、下段には自分で漬けた梅干しやシロップが。

キッチンにもたくさんの壺が。さまざまな調味料を入れて。

前の家を知っている人からは「あまり変わらないね」といわれるそうで、ヘリンボーンの床や家具の配置など、「前と同じ」が確かに多いのです。それもそのはず、リノベーションは前回と同じデザイナーに頼み、前の家の空気感はそのままに。「猫は引っ越したことに気づいてないかもしれない」と笑います。変わったのは、家族3人それぞれに部屋ができたこと。子どもが育ち、生活スタイルも変わってきたことで、個々で過ごす時間も増えてきました。

「転勤族」の家に育ったマキさん。東京、京都、北海道と、いろいろな土地を流れ大人になりました。「ここがふるさと、思い出の家、という場所が特になくて、少し寂しいかな」。そんなこともあって、息子を育んだ「あの家」の面影をあちこちに引継ぎ、これからの住まいをつくったのかもしれません。

住まい年表

0歳〜18歳まで 父の転勤であちこちへ

神奈川で生まれ、その後京都へ。3歳で東京に移り、東京の中でも転々と。一番長かったのは用賀の家。高校時代は北海道。

30代前半〜40代後半 結婚して子育てをした家

東京の郊外のマンションをリノベーションして暮らした。仕事の都合で、もう少し都心に近いところへと引っ越しを決意。

『クウネル』3月号掲載 写真/馬場わかな、取材・文/鈴木麻子

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『クウネル』No.125掲載

パリ・東京おしゃれスナップ191

  • 発売日 : 2024年1月19日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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