【住まいの履歴】もっと暮らしに向き合いたいと思いつきで越した古い一軒家/フラワースタイリスト・平井かずみさん

フラワースタイリスト・平井かずみさんが、もっと暮らしに向き合いたいと、思いつきで越した古い一軒家。それは「すごくかわいらしい」と噂が広まるほど、隅々にこだわりが詰まった住まいでした。

PROFILE

平井かずみ

フラワースタイリスト。花が身近に感じられるような「日常花」を著書や雑誌などで提案。東京・恵比寿にアトリエ『皓SIROI』を構え、花の教室「木曜会」や企画展示などさまざまな催しを行っている。Instagram:@hiraikazumi

もっと暮らしに向き合いたいと 思いつきで越した古い一軒家。

「平井かずみさんの新しいおうちがものすごくかわいいらしい」。そんな噂が広まるほどの新居は、タイル、ドアノブ、コンセントに至るまで……、隅々にこだわりが詰まった古い一軒家でした。

「前の家は、コンクリート打ちっぱなしのすごくモダンなつくりでこことは真逆。クリーンな雰囲気は心地よかったけれど、キッチンが小さく、仕事の忙しさも相まって、暮らしに向き合えていないな~と感じたんです」。そしてある朝、「あ、引っ越そ」と思い立ち、スマホで検索して見つけたのがこの家。内覧でミルクティー色タイルのキッチンに立った瞬間、この家で暮らしを楽しんでいる様子が想像でき、即決したといいます。

50年以上前に建てられた家を、現オーナーがフルリノベーション。ライトなども凝っている。

ベルギーのアンティーク棚は分解できて引っ越しもラク。

パリのアパルトマンのような洗面所もお気に入り。

家で一番気に入っているキッチン。

タイル張りの壁や、陶器のシンクは、愛用の作家ものの器や手工芸のかごとしっくりなじむ。

コレクションの鉱物をディスプレイ。「ただ見ているだけで癒されます」。

手仕事の品、アンティークのものに囲まれた暮らしを味わう平井さんですが、生家はそんな風情はなかったそうで……。

「3人兄弟の長女ですが、両親含め私だけがこんな趣味で、『この子だけ何で?』と不思議がられています」と笑います。ごく普通の一軒家でしたが、雑誌『anan』のインテリア特集を眺めては、自分なりに部屋をかわいく整えていたのだそう。例えば、茶箱を収納に使うというアイデアが当時はすごく新鮮で、近所のお茶屋さんで譲ってもらった茶箱を白くペイントしたりして。それはいまでもアトリエで活躍しているといいます。

それから3回の引っ越しで辿り着いた絵本に出てくるような家。陽当たりの良いキッチンは、ずっと立っていたくなる心地よさで、外食がめっきり減りました。

「持ち家の楽しさも経験したけれど、しばらくは賃貸でいこうかと。これからの暮らしは少し身軽でありたいんです」

住まい年表

20代〜40代後半 横浜の一軒家

一から建て、インテリア取材も多く受けた思い出深い住まい。念願の庭をもち、それが現在の仕事に導いてくれた。

40代後半〜50代初め 等々力のアトリエ

3.5mと高い天井が気持ちいい静かでモダンなアトリエ。大きな窓からは光がたっぷり入り、物件探し1軒目で決めたという。

『クウネル』1月号掲載 写真/馬場わかな、取材・文/鈴木麻子

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『クウネル』No.124掲載

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