【吉川美代子さん】壁一面の本棚に3000冊の愛読書。「面白い本に呼ばれている気がします」
あの人の本棚を見たい!と思う人たちの自宅やアトリエを取材。今回は吉川美代子さんの書斎にお邪魔し、三千冊近い愛読書が詰まった“理想の本棚”について語っていただきました。
PROFILE
吉川美代子
TBSを定年退職後、テレビや講演会で活躍するほか、大学で教鞭もとる。読書好き、映画好きが高じて『週刊新潮』で書評「あの映画この原作」を連載中。生きものをこよなく愛し、ラッコ研究家や愛猫家の顔ももつ。
理想を叶えた環境に3000冊近くの精鋭が整列
少女時代から三島由紀夫や松本清張、水上勉などの文学に親しんできた吉川美代子さん。壁一面に造り付けた本棚には、学生時代に出合った世界文学全集や『純文学書下ろし特別作品』などシリーズものも並びます。
面白い本には呼ばれる気がして
「読み始めると止まらない骨太な本が好きです。なかでも深い人物造形や壮大な世界観に引き込まれる、海外文学が多いですね。翻訳で読後感が異なるので、新訳は手持ちの旧訳と読み比べることも。読んだ本が何年か後に映画化されることもよくあって、面白い本に呼ばれている気がします」
本棚は私にとってなくてはならないもの
サイズごとに作家・ジャンル別に整頓した本棚にはもはや一分の隙もなく、毎年末の大掃除では50、60冊を古書店に持ち込むそう。現在の蔵書は三千冊近くにのぼりますが、どれも手元に置いておきたい精鋭ばかりです。
「ここへ引っ越してきたときも、段ボール箱に詰めた本を徹夜で一気に並べ終えたほど、本棚は私にとってなくてはならないもの。今は週刊誌で映画の原作本を読み解くコラムを連載しているのですが、執筆する時、蔵書だけでも資料としてすぐに役立ってくれます。まさに理想の本棚といえますね」
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