買い物に都合がいいだけの場所ではなく頻繁でなくても訪ねると、充実した時間や生活が作れる特別な存在。青木さんの「贔屓」とは?
青木貴子/あおきたかこ
ファッションスタイリスト&ディレクター。ジュエリーブランド『ALLAN-TOKYO』のデザインも。母、令さんはインスタグラムを最近開設して、日々のファッションを投稿。
「王道をいきつつ、時代に合わせ呼吸をしている感じの店が好きです。マインドも店構えも間口が広いこと、居心地よく買いやすいのも大切」
青木さんが長くつきあう店はまさに暮らしを豊かにしてくれる存在です。
「ギフトの花束も仕事用も家の花もすべてFUGAで。センスも接客も抜群、 スタッフの知識も豊富、花はフレッシュ、と全幅の信頼を置いてます。私と母の家のベランダ植物も、メンテナンスはお任せ。大事にしていた鉢が絶体絶命の時に救ってもらったり、担当の仲村さんはさながら主治医のようです」
一方、絶対的あんこ党青木さん母娘が最も愛する和菓子屋は、青山の菊家。
「老舗なのに敷居が高くない。季節のお菓子のかわいさに惹かれて行き始め、20年以上通っています。時折寄って、きっぷのいい女将さんとおしゃべりをしながら買うのが楽しみ。ここにしかない名品も実は多いんです」
贔屓し始めたら、一途に「お得意さん」道を全うする青木さんのスタイルも各店のスタイルも正統で粋。
信頼のスタッフたちに任せる花選びや植物のメンテナンスに満足
『FUGA』
スタイリッシュなフラワー&プランツショップの草分けでトップランナー。花・グリーンのセレクトと暮らしに生かす提案は、洗練度と専門技術の高さで、大人のファンが多い。「品揃えのセンスもすばらしい」と青木さん。
FUGA
住:東京都渋谷区神宮前3-7-5 青山MSビル
電:03-5410-3707
営:1F(フラワー)11:00 (月水金13:00)~18:00 B1F(プランツ)
11:00~18:00/無休
https://fuga-tokyo.com
季節ごとのお菓子も女将さんとの会話も暮らしの彩りに
『菓匠 菊家 』
1935年に創業した骨董通りのシンボル的存在、昨年からはビル9階で営業。一子相伝の製法を守り一方で新しいアイデアを反映させた季節の菓子を販売。青木さんの夏のおすすめは向田邦子さんにも愛された水ようかん。
菓匠 菊家
住:東京都港区南青山5-13-2
電:03-3400-3856
営:9:30~17:00頃
休:日・月曜・祝日
http://www.ycraft.co.jp/kikuya/
『クウネル』2022年7月号掲載
写真/山崎智世、目黒智子、取材・文/原 千香子