TVなどでおなじみマナー講師の諏内えみさんにエレガントな所作について聞きました。
ハンド&ハンドで丁寧に美しく
基本的に物を持つ際は片手ではなく、もう片方の手も添えると丁寧で優雅に見えます。
とくに和食の席では、お茶碗を左手で、お箸を利き手の右手で取りがちですが、まずはお茶碗を両手で持ち、それから、利き手でお箸を持ち上げるとグッと上品な所作となります。
指先は揃えて閉じると優雅に見える
携帯電話を持つ際、指先が広がっていませんか? 何気ないことですが、指先を揃えて小指の先まで意識を持つと、とても美しく見えます。物を持ったり、人に手渡したりする際も指先にまで神経を行き届かせると、品がありエレガントな女性を表現できます。
カップは指を通さず“ つまむ” ように
ティーカップを持ち上げるときは、穴に指を通すのではなく、親指、人差し指の2本を基本にそっとつまんで持ち上げましょう。それだけで驚くほど優雅で上品に映ります。何気ない所作ですが、お茶をいただく際にスッとできるように覚えておくといいですね。
バッグは表側から腕を通して隙間を埋めて
ハンドバッグなどを持つとき、ついつい“おばちゃん持ち”になっていませんか? 身体の外に腕を向けるのではなく、バッグの表側から腕を通して、腕と身体の隙間を埋めるようにして持つと、コンパクトで品があり、すっきりしたスタイルに見えますよ。
大人こそ「俯瞰力」を身につけましょう
駅の改札付近などで人と別れる際、急にその場で立ち止まったり、振り返りながらのお辞儀で他人にぶつかったりしていませんか?レストランでのお喋りなども然り。つい周りが見えなくなりがちですが、自分を遠目から見る「俯瞰力」を身に付けたいものです。 (「備え編」につづく)
諏内えみ(すない・えみ)さん
結果を出す「マナースクール ライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。オールアバウト マナーガイド。テーブルマナーや美しい立ち居振る舞い、会話、社交術を指導。女優のエレガント所作指導やTV出演も多数。著書に*『世界一美しいふるまいとマナー』(高橋書店)他。
『ku:nel』2019年7月号掲載
イラスト ヒラノトシユキ/取材・文 結城 歩