朝ドラ『ばけばけ』で話題の島根へ!美肌の湯と日本酒文化を味わう『界 玉造』の大人旅
後半戦に突入し、ますます盛り上がりを見せる朝ドラ『ばけばけ』。明治の作家・小泉八雲と、その妻である小泉セツをモデルとした作品の舞台として、いま注目を集める島根へ向かいました。美肌の湯として知られる玉造温泉に佇む、星野リゾートの温泉旅館『界 玉造』で、土地の文化に触れる滞在を満喫。この宿ならではの魅力とともに、作品にまつわるスポットも巡った、大人の一泊二日の旅をレポートします。
目 次
小泉八雲の足跡をたどる『界 玉造』の特別滞在プログラム
地域全体に穏やかな空気が流れていて、まさに大人の贅沢旅にぴったりの場所だと感じました。
島根県松江市、玉湯川沿いに広がる玉造温泉は、約1300年の歴史をもつといわれる日本最古級の温泉地。出雲国風土記にもその名が記され、“美肌の湯”として親しまれてきました。
そんな由緒ある温泉地に佇むのが『界 玉造』。出雲の文化や美意識を取り入れた空間で、温泉や食事、ご当地体験を通して、土地の物語に触れられる宿です。
広々とした敷地内には、昭和13年に建てられた太鼓橋や茶室、趣のある庭園を配し、客室はわずか24室のみ。宿に足を踏み入れた瞬間から静けさに包まれ、落ち着いた滞在がはじまります。
2022年のリニューアルにより、全室が露天風呂付きのご当地部屋「玉湯の間」へと生まれ変わりました。
今回は、2026年3月20日(金)まで開催されている滞在プログラム「小泉八雲を辿る旅」を通して、朝ドラ『ばけばけ』の舞台・松江の魅力を、より深く味わいます。
\ 美肌の湯を堪能する大浴場 /
内湯は社をかたどった湯口が印象的。湯に浸かっているだけで、なんだかご利益がありそうな気がしてきます。
玉造温泉は「一度入ると美しくなり、再び入ると万病が治る」と、湯の効能をうたわれてきた由緒ある温泉。
大浴場には、開放感のある内湯と露天風呂を備えています。なかでも試していただきたいのが、枡に源泉や日本酒を注ぎ、天然のフェイスパックを楽しむ、源泉パックと日本酒パック。
お酒と源泉を混ぜてもいいと聞き、実際に試してみると、肌がもっちりとうるおう感覚に。湯上がりには、美肌効果を全身で実感できました。
温泉をもっと楽しむ秘訣は、「温泉いろは」に参加すること!玉造温泉の歴史や泉質について学べるほか、正しい入浴の仕方や、入浴中に行う簡単な体操を、紙芝居スタイルでわかりやすく教えてもらえます。
玉造温泉は、古い角質を取り除くクレンジング効果と高い保湿力を持つ泉質なのだそう。そんな話を聞きながら、「チェックアウトまでに何回入浴できるかな?」と、ついつい考えてしまいました(笑)。
毎日16:30〜湯上がり処で開催しています。
\ 出雲の魅力満載のルームツアー! /
その土地の記憶や風景がさりげなく織り込まれ、この場所ならではの滞在を演出します。
界ならではの魅力が息づく「ご当地部屋」。ここ『界 玉造』では、玉造温泉の特産品である勾玉をモチーフにした意匠や、温泉街を流れる玉湯川や宍道湖を思わせるアートが空間に取り入れられています。
ベッドボードとフットカバーには『天野紺屋』による藍染めを使用。宍道湖で見られる雲間から無数の光が差す光景をモチーフに、藍の濃淡で表現。(ちなみに帰りに宍道湖沿いでこの景色を見ることができて感動でした!)
ベッドルームの隣には、吉野杉の酒樽を使ったテーブルを配したくつろぎのスペースも。酒蔵の麴室をイメージしたという設えが、部屋で過ごす時間に心地よい余白を添えてくれます。
ここでは、湯上がりにくつろぎながら、日本酒を飲んだり本を読んだり。家のような居心地のよさを感じました。
客室に備えた露天風呂で、美肌の湯を心ゆくまで味わえるのも大きな魅力。売店では湯船に注いで楽しむ日本酒風呂用の日本酒を購入でき、さらに湯の中で晩酌ができる桶酒セットの貸し出しも。日本酒好きにとっては、まさに夢のようなひとときです。
冬の冷たい空気も山陰らしさですが、この温泉に浸かっていると、やさしく心地よく感じられる気がします。
怪談の世界に触れる「怪談茶室」と、八雲酒セット
さて、ここからご紹介するのは滞在プログラム「小泉八雲を辿る旅」について。滞在中、八雲の世界観に浸れるさまざまな体験が用意されています。
毎晩20時からは、館内のお茶室にて朗読イベント「怪談茶室」を開催。前半では、八雲の生涯や代表作である『怪談』を執筆するに至った背景を、妻・セツとのエピソードを交えながらお話しいただきます。
そして、館内にある日本酒BARで、八雲が晩酌の際に好んでつまんでいたとされる和菓子「黄身しぐれ」と、八雲にまつわる日本酒など三種を味わえる「八雲酒セット」(1,500円)をぜひ。
「黄身しぐれ」は、地元の老舗和菓子店・風流堂と共同開発した一品。日本酒を練り込んだ餡で、日本酒とよく合います。八雲になった気分で楽しみました。
先ほどの怪談茶室で、怪談に耳を傾けながら嗜むこともできます。
\ 日本酒BARで出合う、島根の地酒 /
また、島根県は日本酒発祥の地といわれ、県内には多くの酒蔵があります。日本酒BARでは、島根を中心とした地酒を気軽に楽しめます。大の日本酒好きとして、ここで過ごす時間を楽しみにしていました!
日本酒BARは、カウンター席と畳の座敷席を備えています。
『界 玉造』には、日本酒好きが高じて島根地酒マイスターを取得したスタッフが数名在籍。そんな日本酒愛あふれるスタッフが選び抜いた地酒がずらりと並びます。なんと、その数は40銘柄以上!ひとつひとつ丁寧に解説してくれるので、普段日本酒を飲まない方にも安心です。
好みの味を楽しむのもいいですが、旅先だからこそ、これまで出合ったことのないものに思いきって挑戦。飲み比べを楽しみました。
ここで日本酒に触れ、「今まで苦手だったけれど、日本酒が好きになった」という声も多いのだとか。夕食後や湯上がりに気軽に立ち寄れて、土地に根づいた酒文化に触れられるいい機会でした。
しじみや出雲そば、酒粕。島根の味覚を楽しむ食事
きめ細かな肉質が魅力の和牛のしゃぶしゃぶ。
のどぐろやシジミ、松葉蟹など、山陰の海が育む幸は、島根を訪れる楽しみのひとつ。その魅力を、会席料理として丁寧に味わえるのが、『界 玉造』での滞在。今回いただいたのは、島根らしさを存分に感じられる「しじみ牛しゃぶ会席」です。
朝食は、「鶏つくねの杜氏鍋」を楽しめる和食膳。杜氏とは、日本酒づくりの現場で酒造りを取り仕切る責任者のこと。酒粕のやさしい風味を生かした鍋は、目覚めたばかりの体に染み渡り、穏やかな一日の始まりを過ごすことができました。
神楽やお茶体験、ライブラリーで知る出雲の文化
さまざまなプログラムを通して、滞在中は気軽に出雲の文化に触れることができます。体験を重ねるほどに、土地への理解が深まり、滞在の時間がより豊かなものに感じられました。
まず、チェックアウト時に予約しておきたい、茶室での「茶の湯体験」。大名茶人として名高い松平不昧公が広めた茶の湯文化が今も息づく松江らしく、肩肘張らずにお茶を楽しめるのが魅力です。三斎流・影山先生のお点前をいただきながら、先生の軽快なトークも楽しかったです!
コーヒーやお茶を片手に読書も楽しめるトラベルライブラリーも、心地よい空間で、つい長居してしまいました。
全国の界で、その土地ならではの文化を紹介する「ご当地楽」。『界 玉造』では、ユネスコ無形文化遺産にも登録されていて、島根が誇る伝統芸能・石見神楽が披露されます。
出雲神話「ヤマタノオロチ」を題材にした、迫力ある舞が楽しめます。スサノオノミコトが、約16メートルもの大蛇を強い酒で討ち伏せる物語。
八雲が愛した人力車に揺られて、文豪ゆかりの松江を巡る
松江でよく見かけたポスター。「松江を盛り上げ、不要なものを削ぎ落としながら“ばけていく”」という思いが込められているそう。「あげ、そげ」は出雲弁。
チェックアウト後には、小泉八雲が愛した松江の街を、人力車で巡るプライベートツアーに参加するのをおすすめします。
1日1組限定で、八雲が日常の足として親しんだ人力車に揺られながら、小泉八雲旧居や松江大橋、普門院など、ゆかりの地を巡る1時間のツアー。
八雲とセツゆかりの地を巡りながら、朝ドラのエピソードと重ねてわかりやすく解説していただきました。物語の背景が立体的に伝わり、ドラマの魅力もいっそう深まります。
昔ながらの建物が残る街並みのなかで、城下町ならではの松江の文化や歴史を多角的に知ることができて、本当に参加してよかった!
時間:13:00〜14:00 料金:18,000円(税込) 定員:1日1組限定(1組2名まで)予約:公式サイトにて宿泊日の7日前まで
朝ドラの魅力が深まる!おすすめの立ち寄りスポット
黒い外壁が特徴の松江城。これを八雲は「不気味で怪奇なものを寄せ集めた竜のよう」と表現したそう。(人力車ツアーで教えてもらいました!)
小泉八雲とセツが出会い、共に暮らした松江は、ふたりにとって忘れられない特別な場所です。日本で191番目の国際結婚だったそう。
今回は朝ドラの舞台となった松江城や宍道湖近辺を中心に、物語の世界観を感じられるスポットを巡りました。その中からいくつかをご紹介します。
ほかにも、鏡の池で紙と硬貨を浮かべる恋占いで知られる八重垣神社や、“大亀伝説”でおなじみの月照寺、小泉八雲が足繁く通った石狐がずらりと並ぶ城山稲荷神社など、見どころは尽きません!
作品が放送されている今だからこそ、ロケ地やゆかりのスポットを巡ることで、風景や空気ごと追体験することができました。物語が土地と結びつくことで、旅の記憶もより深く心に残ると感じます。
ぜひ、『界 玉造』での滞在と合わせて、物語と重なる豊かな島根旅を楽しんでみてくださいね。
界 玉造
※滞在プログラム「小泉八雲を辿る旅」は、2026年3月20日(金)までの開催です。
住:〒699-0201 島根県松江市玉湯町玉造1237
電:050-3134-8092(界予約センター)
料金 :1泊45,000円~(2名1室利用時1名あたり、サービス料・税込、夕朝食付)
全24室・チェックイン15:00/チェックアウト12:00
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaitamatsukuri/
取材・文/阿部里歩