〈70代アーティスト片山優子さんの韓国旅〉注目の美術館やアートスポットをレポート

2024年11月中旬、初めての韓国ソウルへ訪れたアーティストの片山優子さん。4泊5日の旅程で、アートや食、個性派ホテルでの滞在を楽しみました。今回は、ソウルで訪れたい注目の美術館やアートスポットをレポートいただきます。
おすすめスポット1:リウム美術館

有名な螺旋階段です
ソウルに来たら絶対に外したくない『リウム美術館(Leeum Museum of Art)』。梨泰院エリアにあります。
電化製品などで有名なサムスンが運営している美術館。建物は3棟に分かれていて、それぞれ異なる建築家が手がけているそう。

美術館入り口にて。滞在中はずっと晴天に恵まれた!
韓国の古美術が見られる常設展のほか、現代アートを展示する企画展の2つに分かれています。常設展も展示の仕方や光の当て方など、いろいろ素晴らしいと感じます。
グラフィカルに感じるモノが好きな私は、日常ではなかなか体感しない面白い空間を楽しめました。
さらに、開館20周年記念プログラムの一環として開催されている企画展へ。
ソウル出身でニューヨークを拠点とする現代アーティストのアニカ・イーによるアジア初個展。まさこちゃんはパリで彼女の作品を見たらしい。
テクノロジー、生物学、感覚を結びつけた実験的な作品で知られており、香りや美食、科学などさまざまな分野を通して、イーのコンセプチュアル・アートたち。
五感を刺激される、不思議で魅力的な空間でした。
リウム美術館
住:ソウル市龍山区イテウォンロ55ギル60-16
https://www.leeumhoam.org/
おすすめスポット2:アラリオミュージアム・イン・スペース

現代アート美術館『アラリオミュージアム・イン・スペース(Arario Museum in Space)』。北村韓屋村の近くにあります。
旧「空間」建築事務所の社屋をリノベーションし、2014年にオープンした美術館。その建物は、韓国現代建築の傑作とも言われています。建物の上の方に「空間」という文字が目に入りました。
国内外のコンテンポラリーアートコレクションの展示が中心。迷路のような狭い階段を進みながら鑑賞します。
ミュージアムの所蔵作品の幅の広さ、奥深さも感じつつ、その中に日本人アーティスト作品もあるので嬉しく拝観していました。
帰りにチマチョゴリのフォトスポットを発見。みんなも写真撮ると思ったら私だけ!

「似合ってる」と言われたんですよ。
場所柄か、レンタルでチマチョゴリを着用されている各国の観光客の方々をたくさん見かけました。京都のレンタル着物と同じだと思いながら、時間があればみんなで一度体験したいと話していました。
アラリオミュージアム・イン・スペース
住:ソウル市鐘路区苑西洞83
https://www.arariomuseum.org/m/
おすすめスポット3:プトゥラ ソウル

北村韓屋村に新しくできたアートスペース『プトゥラ ソウル(FUTURA SEOUL)』。
1200平方メートルの広さで1階と2階が天井高11メートル。3階の屋上庭園からは、歴史的な韓屋の屋根が見渡せます。
最初の展示はミラーを取り入れたデジタルアート。寝転がったり下向いたり上向いたり、何がリアルで何がフェイクなのか考えさせられます。
部屋が変わって……。トルコ出身で、ロサンゼルスを拠点に活動しているレフィーク・アナドールの展示へ。
絵画や彫刻、ライブパフォーマンス、インスタレーションなど多様な作品を生み出し、世界的な賞を数多く受賞しているアーティスト。

どんどん繊細に粒子が動いて形が変形していきます。見ていてその変化に期待感すら感じて飽きないのです。
美しさのなかに力強さも感じて、デジタルアートのAIの進出、進歩をとても身近に感じました。
彼の作品は、インスタグラム(@refikanadol)やYouTubeでも見ることができます。
さらに、『国立現代美術館 ソウル館』にも立ち寄り。仲間の中で、私だけ70歳オーバーなので無料で入場できました!(得した感じ)
プトゥラ ソウル
住:ソウル市鍾路区嘉会洞61
https://futuraseoul.org/
人生初のソウル旅。天候にも恵まれて、時期的にちょうど紅葉も楽しめたり。寒さも特に感じることなく、ラッキーなタイミングでした。
そのラッキーは最後まで続き……。余裕を持って空港までのタクシーに乗ったのに、大渋滞に巻き込まれました。「最終便だからもし乗れなかったら空港で一泊か?!」と思っていたら、便が遅延するという連絡。無事、間に合いました。
さらに帰国した翌日、韓国は雪で飛行機の発着陸が大変だったとか。
記事を書きながら、旅のことを思い出していました。世代の違う友人たちは、交通機関利用のとき真っ先に空席を探してくれたり、歩くのが遅くなると必ず手を取ってくれる。
少しの無理はするけれど、71歳になると限界もある。今の「古希」年齢は、昔の「還暦」年齢では?と勝手に思ってる。今は「還暦」といっても、まだまだ仕事もできるし体力がある。70オーバーの私ももう少しみんなと旅したいと思いました。
制作ばかりしてないで、少しは歩くようにしようと今は考えています。
