【いま巡りたい街】深・渋谷…大人の好奇心を満たす街のとっておきスポット(前編)

今注目を集める東京の5つの街。地元を愛する達人に、地元民だからこそ知る隠れたスポットやとっておきの楽しみ方を聞きました。新しさとベーシックが生きる文化圏、渋谷。街の真髄を味わうなら駅を離れた「深めの渋谷」=並木橋、神泉、代官山等へ。トータルビューティーデザイナーの美木ちがやさんに案内いただきました。

『WOODBERRY COFFEE』おいしい店が増える注目エリアで賑わうヘルシーなカフェ

〈有機野菜やスーパーフード入りのブッダボウル〉1,760円

店内はおしゃれ、かつリラックスできるムード。

スパイスが香る生地に、ヴィーガンクリームチーズのフロスティをのせた〈キャロットケーキ〉780円 海外陶芸家の手作業による益子焼のカップで提供。〈ハンドドリップコーヒー〉 価格は豆により変動。

世界中から厳選されたサスティナブルな豆で淹れるスペシャリティコーヒーと、オーガニック食材を使うフードを楽しめるカフェ。ヴィーガンメニューも充実していて、美木さんも「オリジナリティがあっておいしい」と絶賛。

広い店内は地元の人、海外からの観光客、スイーツ好きの若者などで朝早くから賑わっています。

WOODBERRY COFFEE(ウッドベリーコーヒー) 渋谷店

住:渋谷区東2-20-18
営:8:30~19:00(L.O.フード18:00、ドリンク18:30)
休:無休
WOODBERRY COFFEE公式HP

『渋谷氷川神社』街の深部に鎮座して地元を見守る渋谷最古の神社

明治通り側から続く参道を上がり、階段をのぼりきって鳥居をくぐると拝殿が。縁結びの神様としても知られ、毎月15日15時より〈縁結び祈願祭〉が行われている。

4000坪の広大な敷地。緑溢れ木漏れ日が注ぐ様子はどこかのんびり落ち着いて、都心であることを忘れます。昨今はパワースポットとしても人気。

「我が家の氏神様で、よくお参りに行きますし散歩にも来ます。昔、境内にある土俵で行われた奉納相撲をよく見た思い出があります」(美木さん)

渋谷氷川神社

住:渋谷区東2-5-6

『有昌ASTAGE』並木橋にあった人気の町中華が、10年ぶりに代官山で復活

特製有昌麺と双璧の人気、〈しいたけソバ〉1,100円 細麺、しいたけの甘煮、澄んだスープ。夜は炒め料理・つまみも提供。

 

美木さん一家がよく訪れたご近所の中華店、有昌。その魂を受け継ぐ店を昨秋、二代目店主・橋本和雄さんが復活オープンさせました。「私には懐かしい味、ヘルシーなしいたけソバがおすすめ」(美木さん)。

看板麺が旧常連を歓喜させ新しいファンも増加中ですが、今後メニューを強化しさらに新ステージに進化の予定だそう。

有昌ASTAGE

住:渋谷区代官山町7-5 ル・キューブ代官山201
営:11:30~14:00L.O.、17:30~22:00(L.O.21:30)(日・火曜はランチのみ)
休:月曜、第2・4日曜
有昌ASTAGE公式インスタグラム

『そらんじ』センスよがよくオープンな雰囲気・生活になじむアンティークを選ぶ。

壁一面、柿渋染めの和紙を張詰めた内装。食器、壺、道具、オブジェ……、時代や地域も混在。

店内ポップアップも時折開催。

堀内さんはガラス好きでフランスの業務用からボヘミアンガラスまで多種。

渋谷生まれ&育ちで「ものは古いから崇めるとかではなく、生活に生かさなくては」という堀内靖郎さんが営むアンティーク店。現代作家の作品も骨董と分け隔てなく陳列され、アイテム数も多め。「お値段も雰囲気もなじみやすい」(美木さん)という推薦どおりの展開は嬉しく、一品ごと添えられた出自の説明を見始めると長居必至です。

そらんじ

住:渋谷区渋谷2-7-2-101
営:13:00~19:00
休:木・金曜
そらんじ公式HP そらんじ公式インスタグラム

『Shinsakabashi Books』誰かの人生を造った本と出会える、ライブラリーのような書店。

落ち着いた店内では長らく読書を楽しむ人も。

店舗は小さな一軒家風。

選書者の思いを書いたブックエンドが添えられ、壁のアートも印象的。

コンパクトで洒落た店構えの書店には15人のクリエイターが選ぶ〈人生に影響を与えた10冊〉と、自然・食・哲学のテーマで選ばれた書籍が並びます。新刊と古書が混在するラインナップはユニークで、店内中央の読書テーブルと椅子で、ゆっくり吟味できます。

「選者も信頼できる方ばかりで興味惹かれます」(美木さん)

Shinsakabashi Books

住:渋谷区代官山町18-10
営:11:00~18:00
休:日曜
Shinsakabashi Books公式インスタグラム

『HOOKED VINTAGE』クオリティ高く刺激的なヴィンテージウェアに惹かれて。

手前に写るのは美木さんも購入したフリンジベルト。シューズも多く揃う。

美木さんがそのセンスを尊敬する小葉さん。

インテリアのコーナー。照明や什器、雑貨の買い付けは小葉さんの夫、安藤公祐さんが担当。ストーリーを感じさせるヴィンテージアイテムがざくざく。

人気ヴィンテージショップ、ジャンティークから独立した夫妻が7年前オープン。美木さんは、安藤小葉さんが買い付ける「大人の女性に似合いおしゃれのきっかけになるような」(小葉さん)クオリティの高い服に刺激を受けているそう。アメリカのインダストリアルアイテムや公共機関で使われていた照明なども「かっこいい」(美木さん)。

HOOKED VINTAGE(フックド ヴィンテージ)

住:渋谷区渋谷2-12-6
営:12:00~19:00
休:日曜
HOOKED VINTAGE公式HP HOOKED VINTAGE公式インスタグラム

「祖父母が渋谷・並木橋に住居を構えたのは都電も通っていた昭和30年代。私も合計で40年以上、渋谷の住民です」

美木ちがやさんの文字通りのホームグラウンド渋谷は、長らく再開発の途上。駅周辺は賑わうもののアクセスしづらく、味気なくなっていると言われることも。

「風情はだんだん消えてはいますね。駅のあたりはよけて歩いたり、点から点へ自転車で結ぶことも多い。ただ愛犬の散歩が日課なので、中心部を遠まきにした辺りにはよく出かけています」

ガイド紹介

美木ちがや/みき・ちがや

母の川邉サチコさんとともに『KAWABE LAB.』を主宰。美容とファッションの世界でトータルに活躍中。大型犬の散歩が日課。愛犬家同士で街情報交換も活発に行う。

『クウネル』2024 5月号掲載 写真/山崎智世、取材・文/河野友紀、原 千香子

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『クウネル』No.126掲載

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