パリに行きたい理由が加わりました。名門『ホテル・ド・クリヨン』のロマンチックなパティスリー

パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は桜井さんが、パリで注目の「高級パティスリー」について教えてくれました。

敷居の高いホテルのスイーツを少し気軽に

今回は、5月にお届けした「これぞパリの素敵!超高級ホテルのうっとり系パティスリーにパリっ子も行列中」の続編です。ホテル・ド・クリヨン、ホテル・リッツに続き、満を持して今年4月に誕生したのが、コンコルド広場の歴史あるホテル、ホテル・ド・クリヨンのパティスリー&サロン・ド・テ、『Butterfly Pâtisserie(バタフライ・パティスリー)』。

これまで、このホテルのスイーツを楽しむにはホテルに宿泊するか、ホテル内のレストランやサロン・ド・テに行くほかありませんでした。ルイ15世の命で建設された豪華な宮殿に20世紀初頭に創業した由緒あるホテルなので、それなりの服装と心構えが必要だったのですが、「Butterfly Pâtisserie」はホテルとは別の新たな入口が作られたこともあり、気軽にテイクアウトもでき、ぐっと敷居が低くなりました。

パリらしい街灯がポイントの、美しい石造りの建物。階段を上ってすぐ左に『Butterfly Pâtisserie」がある。ホテル内からももちろんアクセス可能。

大理石のショーケースにうやうやしく並べられたケーキたちにうっとり。フランやケーク、マドレーヌなど焼き菓子系もいろいろある。

コージーな雰囲気が落ち着くサロン

コンコルド広場10番地にあるホテルの玄関を通り過ぎ、左手のボワッシー・ダングラ通りを少し進むと、このお店の入口が見えてきます。中に入ると、ショーケースの中で宝石のように輝くパティスリーたちが出迎えてくれます。

10席ほどのサロンはこぢんまりとコージーな雰囲気で、超高級ホテルらしいシックさのなかでも、リラックスした時間が過ごせます。フェミニンな美しさをたたえたパティスリーは、もちろんホテル・ド・クリヨン自体のシェフ・パティシエであるマチュー・カルランさんが手がけていて、甘さ控えめで旬の素材を生かした繊細なお味です。

いちごのシャルロットやルバーブのタルトなど季節のフルーツを使ったパティスリー、定番のミルフイユやレモンタルト…どれもおいしそうで選べない。

豪華なシャンデリアが高い天井からぶら下がる、ホテルのメインのサロン・ド・テとはまったく異なり、まるでパリのアパルトマンの素敵なリビングでくつろいでいるような雰囲気が落ち着く。

悩んだ末、スタッフさんに勧められたミルクチョコレートとジャスミンのケーキをセレクト。甘みを抑えたチョコレートに、ジャスミンがふわっと香る、見た目よりもずっと軽やかなお味。

パリにあるその他のパラスホテルでも今後、より多くの人がアクセスできるようなパティスリーを開店するところが出てきて、超高級ホテルのパティスリー食べ比べが簡単にできるようになったらいいなあ…と願う今日このごろです。

Butterfly Pâtisserie(バタフライ・パティスリー)

取材・文/桜井道子

SHARE

この記事の
プレミアムメンバー

トリコロル・パリ

荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
https://tricolorparis.com/

IDメンバー募集中

登録していただくと、登録者のみに届くメールマガジン、メンバーだけが応募できるプレゼントなどスペシャルな特典があります。
奮ってご登録ください。

IDメンバー登録 (無料)