〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーでもあり、タイ料理の今に精進するアベクミコさん。じつは、タイ料理作りは本場食材の調達も楽になったり、何かとハードルが低くなっています。食卓を独特の香り高い料理で賑やかにしたい!という方のために、まずは基本の「ヤム」を使ったレシピを2品教わりました。
「タイ料理は辛味、甘味、酸味、塩味のバランスが大切で、多様なハーブや調味料で独特の風味をつけます。王道料理にこだわらなくても、このタイ料理の基本を理解していれば料理として成立します。タイの調味料は日本食材とも合わせやすく、幅広い応用が可能。たとえばヤムのベースがあれば、ツナ缶を混ぜるだけでも十分タイ料理になるんです」とアベクミコさんは言います。
ヤムは混ぜる、和えるという意味。和え物の類です。
季節の恵みをナムプラーと砂糖、ライム等の酸味、唐辛子を合わせたヤムの基本だれで味つけします。
〈いわしといちじくのヤム〉
■材料
いわし(開いたもの) ……2尾
米粉、揚げ油(サラダオイル)……各適量
いちじく……1個
レモングラス(根元をみじん切りに)……1本
ホムデン(皮をむき厚めにスライス)……8〜10個
ミント……適量
【A】
ナムプラー……小さじ2〜
砂糖……大さじ1〜
ライムの汁……大さじ1〜
生唐辛子(小口切り)…… 1〜2本
■作り方
1)塩をして余分な水気を拭きとったいわしに米粉をつけ、サラダオイルでかりっと揚げる。
2)ホムデン、レモングラスに【A】を合わせさっくり和える。
3)1を皿に盛り、2と食べやすく切ったいちじくを上からのせ、ミントを飾る。
ヤムのたれをひとつマスターすれば、置き換え自由。
お次は、同じたれで作ったトロッとした焼なす+たっぷりの豚肉の一品。ゆで卵を崩しながらいただくのがおすすめです。
〈焼なすと豚肉のヤム 〉
■材料
豚肩ロース(包丁で叩いて粗挽きに)…… 100g
焼なす……2本
ゆで卵(半熟)……1個
ホムデン(皮をむき厚めにスライス)……8〜10個
レモングラス(根元をみじん切りに)……1本
パクチー……適量
【A】
ナムプラー……小さじ2〜
砂糖……大さじ1〜
ライムの汁……大さじ1〜
生唐辛子(小口切り)…… 1〜2本
■作り方
1)肉がかぶるくらいの水に、ナムプラー少々(分量外)を加えて火にかけ、沸騰したら豚肉を入れ茹で、水気を切る。
2)ホムデン、レモングラスを【A】でさっと和え、1の豚肉が温かいうちに加える。 食べやすく切った焼なすの上に2をのせ、パクチーとゆで卵を飾る。
アベクミコさん
出張料理の他イベント、料理教室、プライベートダイニングを開くタイ料理・料理人として活躍。おしゃれでモダンな料理に定評があり、現地でのフィールドワークも年に数週間以上行う。
『ku:nel』2018年11月号掲載
写真 伊藤徹也/取材・文 原 千香子