フランス人の食生活を語る際、不可欠なのがバターやチーズ。いずれも日常食であるバゲットと合わせて、好みのものをたっぷりいただくのがフランス流です。
フランス人は、とくにバケットと一緒にバターを食べるときには、パンを食べているのか、バターを食べているのかわからないほど 「たっぷり塗るのが好き!」なのです。
好みはさまざまですが、人気が高いのが、フルール・ド・セルなど、良質で粒が大きめの塩が入ったバターです。塩気だけでなく、海水の持つミネラルの旨味も感じるのが特徴です。
パンとバターのシンプルな組み合わせだからこそ、素材の良さを追求するのが、フランス人のエスプリです。
さらに、バゲットと相性のよい具材といえば、チーズ。
前菜やメイン料理でどんなに満腹になろうが、締めのチーズは別腹なのがフランス人(たとえそのあとの甘いデザートは食べなくとも!)。
好みのチーズを、我々日本人が驚くほどの量を取り分け、バゲットにのせていただきます。
ちなみに山羊の乳がよく出る春 ~初夏にはシェーブル、冬には熟成期間が夏のモンドールをと、旬のチーズをいただくことも楽しみのひとつです。
『ku:nel』2019年11月号掲載
写真 Yas/コーディネート・文 井筒麻三子/編集 今井 恵