ここは、東京のパリ。南青山『APÉRO AOYAMA Winebar & Table』で過ごす大人のアペロ時間
フランス好きの心をくすぐるワインバー&テーブル『APÉRO AOYAMA Winebar & Table』(アペロ青山 ワイン&バー)が、南青山に帰ってきました。フランスでは、夕食前に軽いお酒と簡単なおつまみを楽しみながら、会話を交わす習慣や時間をアペロといいます。そんな本場フランスのアペロ文化をベースに、日本各地から集めた旬の食材を合わせたコース仕立ての一皿と、フランス出身のオーナー・ギヨームさんが選んだナチュラルワイン。そんなマチュア世代にこそ訪れてほしい一軒をご紹介します。
300本のナチュラルワインと、オーガニック食材のペアリング
カウンターの流れるような曲線が美しい
2014年の開店以来、ワインラバーに愛されてきた『APÉRO AOYAMA Winebar & Table』。12月にリニューアルオープンした新店舗のテーマは「Your Journey of Taste(味覚の旅)」です。店内は、木や石などナチュラルな素材でまとめられたミニマルな空間。さりげなく和紙や生け花があしらわれ、パリのエスプリと日本の美意識が静かに響き合う、心地よい雰囲気です。
代表のギョームさん(右)とシェフのティモテさん(左)。
お店を率いるのは、フランス・サヴォワ出身のオーナー、ギヨーム・デュペリエさん。12年以上にわたって食とワインの世界に身を置き、APÉRO系列店を手がけてきた頼もしくもチャーミングな存在です。ワインリストに並ぶのは、オーガニックの造り手に焦点を当てた約300種のボトルたち。どれもギヨームさんが信頼する造り手から独自に輸入したもので、日本ではまだあまり見かけない希少な一本も少なくありません。「こんなワインに東京で出会えるなんて」とワイン好きなら思わず笑顔になってしまうはず。
“味覚の旅”を体験。ショートコースの一部をご紹介
チーズたこ焼きと国産トリュフ
Blanc de Chardonnay, Champagne Jean-Michel(フランス)
リニューアル前の試食会では、APÉROらしさがぎゅっと詰まったショートコースを体験。遊び心あるたこやきのアミューズは、ひと口かじると、岐阜県産トリュフの香りと北海道・共働学舎のラクレットチーズのコクがふわりと広がって、ぐっとフレンチモードに引き上げられます。ペアリングはシャンパーニュ地方の生産者〈ジャン・ミシェル〉によるブラン・ド・ブラン。ジューシーな泡が、たこ焼きの遊び心とトリュフの香りを軽やかにまとめてくれます。
炙り天然鯛、ビーツ、玄米麹チーズの一皿
Uovo Riesling, Larry Cherubino(西オーストラリア)
続く前菜は、炙り天然鯛に、ビーツのハリサと玄米酒粕麹のチーズを合わせた一皿。千葉〈寺田本家〉の麹と玄米、千葉〈柴海農園〉で育てられたビーツなど、生産者の顔が見えるオーガニックな素材ばかりです。合わせたのは卵形のエチケットが特徴的なリースリング。卵型のコンクリートタンクで熟成させているからこそのデザインなのだそう。ワインづくりの背景まで熟知したソムリエの解説に耳を傾けながら味わう時間は、贅沢そのものです。
鹿のロース、季節野菜
Social Club, Mas des Quernes(ラングドック・フランス)
メインは、北海道産エゾシカのロースと季節野菜をじっくりと焼き上げたひと皿。澄んだ旨みと力強さを併せもつジビエには、映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』から名をとったという、メルロー100%の赤ワイン〈Social Club〉を。南仏らしいしなやかな果実味が、エゾシカのコクをやさしく包み込みます。
国産チーズ2種類(三良坂フロマージュ:広島)、(高秀牧場:千葉)
Saint-Véran 2024, Domaine de l’Oiseau de Passage (ブルゴーニュ・フランス)
最後は、ギョームさんが「本場の味に近い」と太鼓判を押すチーズを2種。ミルクの個性がしっかりと感じられるチーズに寄り添うのは、気品あふれるブルゴーニュの白ワイン。グラスを傾けるほどに、青山にいながらパリのビストロへひとっ飛びしたような気分にさせてくれる、まさに「味覚の旅」にふさわしい時間でした。
グラスワイン一杯 1,500円~、ボトルワイン 7,000円~
ナチュラルワインに興味がある方も、フランス好きのマダムも、ここに来れば“パリの空気”を纏った気分になれるはず。次のお休みに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
APÉRO AOYAMA Winebar & Table
住:東京都港区南青山3丁目 8-5
電:03-6325-3893
営:18:00~24:00(フード L.O:21:30 ドリンク L.O:23:00)
https://www.instagram.com/apero_aoyama
写真・文/久保田千晴
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『クウネル』NO.136掲載
なにしろ「フランスびいき♡」なもので
- 発売日 : 2025年11月19日
- 価格 : 1,080円 (税込)