クラシックなフランス家庭料理をアレンジ【フランス式「3ステップ」料理/ロラン・ステファンさん編】

フランス人の食事は基本、前菜、メイン、デザートのシンプルな3ステップで成り立つとされます。料理上手と評判、『ACCALMIE』レザー作家のロロさんことロラン・ステファンさん。に、「3ステップ」の料理を教えていただきました。詳しいレシピは、〈クウネル・サロン〉だけでご覧いただけます

クラシックとモダンをミックス。 今日はしっかり食べる3ステップ。

「母、祖母、曾祖母、父方の祖母と皆料理上手でした。僕も幼い頃から料理が好きで、母の横で作っていたんです。最初はクロックムッシュ、そこからケーキも焼くようになり……ずっと料理はしてきました」とロロさんこと「ACCALMIE」レザー作家のロロさんことロラン・ステファンさん。

自宅に設けたアトリエで仕事をしていて、妻の紀子さんよりも多くキッチンに立ち、作るのはやはりフレンチが中心。

今日の3ステップは家庭料理のクラシックを現代風に自分流に解釈した得意料理ばかりです。友人も迎えるちょっとしたハレの食卓をイメージ。前菜から野菜もりもりで滑り出し、メインでテンションは上りつめ、デザートはまた別世界へ。

「3つのステップで食事を出すというのは、母の時代はくっきりありましたが、今は緩くはなっているとは思います。でも一挙に皿をたくさん、というのは絶対ないですね。温かいものは温かく、という気持ちも大きいし。まあ1と2が前菜とメインではない場合もありますね」

オリーブ&枝豆といった1アペリティフでワインを飲み始め、飲みながら料理をして2メインにいくこともあるし、1前菜、2チーズ→3デザートもあり。

「ただ食事の皿は一回さげてデザートにする、というのは明快かも。デザートがフルーツだけの軽い場合も多いです」
3ステップ式だとボリュームの調整やメニューの組み立てがシンプルなのでは。

step1_前菜 アボカドとエビ、 グレープフルーツのサラダ  アスパラガス パルメザンチーズがけ

アボカドと茹でエビを合わせる前菜はクラシックなビストロメニュー。ロロさんスタイルでは柑橘の酸味で。

「アボカドとエビ、 グレープフルーツのサラダ」の作り方

◎材料(2人分)
アボカド…1個
エビ…大3尾
グレープフルーツ…1個
ラディッシュ…2個
アスパラガス…4本
パルメザンチーズ…30g
塩・コショウ
オリーブオイル

◎作り方
1.エビは茹でて食べやすく切る。アボカドはダイスにカット、グレープフルーツは皮をむきひと房を半分に切る、ラディッシュは薄くスライス。
2.エビと野菜を合わせオイル、塩、コショウを加え軽く和える。
3.アスパラガスは食べやすく切り蒸す。パルメザンチーズをスライサーで薄くスライスしかけ、塩、コショウする。

※ロロさんの使う塩はブルターニュ産の自然海塩、Fleur de sel。

妻の宇佐見紀子さん(ki_siècleディレクター)とロロさん。 大きな皿から取り分けて食べることが多い。

step2_メイン チキンのバロティーン カリカリじゃがいも

低温調理で作るハムのようなバロティーンはそのままでも食べられるけれど、バター大好きブルターニュ人らしい調理でむね肉を香ばしくしっとり感アップ。パンはカンパーニュの一択。

「チキンのバロティーン」の作り方

◎材料(2人分)
鶏むね肉(大)…1枚
大葉…7、8枚
生しいたけ…6枚
バター…30g
塩 コショウ

◎作り方
1.鶏むね肉は包丁を入れて平らにならして広げ塩、コショウしたら大葉を敷き、さらにその上にみじん切りにしたしいたけを重ねる。
2.具を海苔巻き状に巻き込むようにまとめ、ラップで密封する。鍋に湯が沸いたら火を止めてその中に入れフタをしてそのまま25分間おくと、ハムのようなバロティーンのできあがり。取り出して1時間ほど冷やす。
3.フライパンにたっぷりのバターを溶かしたなかで、バロティーンをバターをかけながら転がし焼く。食べやすい厚さにスライスして個々の皿に。

「カリカリじゃがいも」の作り方

◎材料(2人分)
小ぶりのじゃがいも…500g
塩・コショウ
オリーブオイル
パセリ

◎作り方
1.じゃがいもは皮つきのまま半分にカットしオリーブオイルをかけて手で混ぜなじませてから、180°Cのオーブンで50分焼く。塩、コショウしパセリのみじんをふる。
2.トマトをくし形に切りフライパンでバター焼きにしたものとともに付け合わせに。葉物の野菜を添えて。

step3_デザート チョコレートムース レモンのカトルカール

カトルカールは1/4 が4つという意味で、同量のバター、砂糖、卵、 小麦粉で作るトラディショナルなパウンドケーキ。

「チョコレートムース」の作り方

◎材料(4人分)
チョコレート…1枚 150g
バター…20g
卵黄…4個分
卵白…4個分
砂糖…20g

1.チョコレートはバターを加えて湯煎し溶かす。熱が取れたら、卵黄を1つずつ混ぜ合わせたらさます。
2.卵白をよく泡立て砂糖を加え1に加え合わせる。冷蔵庫で2時間くらい好みの固さに冷やし固める。

※トッピングにはピンクペッパーが合います。

「レモンのカトルカール」の作り方

◎材料(長さ20㎝のパウンド型1台分)
小麦粉(薄力粉)…160g
バター…160g
砂糖…160g
卵…3個
ベーキングパウダー…4g
レモン…2個
グランマニエ…10cc
塩…コーヒースプーン1杯

◎作り方
1.溶かして冷ましたバターと砂糖、卵、グランマニエを合わせる。
2.1にすりおろしたレモンの皮と搾り汁、塩を加える。
3.さらにふるいにかけた小麦粉とベーキングパウダーを入れ、ゆっくりと混ぜ合わせ型に入れて180℃のオーブンで50分焼く。

PROFILE

Laurent Stephan/ロラン・ステファン

愛称ロロ。パリ・エルメスで高級皮革のアトリエワークに 従事した後、自らのクリエーションに没頭。7年前に来日し現在は京都在住。エキゾチックレザーを得意としデザインから製作までを一人で担う。Instagram:@lolo.accalmie

写真/石川奈都子 取材・文/原千香子

SHARE

IDメンバー募集中

登録していただくと、登録者のみに届くメールマガジン、メンバーだけが応募できるプレゼントなどスペシャルな特典があります。
奮ってご登録ください。

IDメンバー登録 (無料)