ふわふわカステラにもちもちのタピオカ、ごはんが進むルーロー飯……と、私たちを魅了して止まない台湾グルメ。その中の1つ、胡椒餅のお店が、東京の町田と吉祥寺にオープン。気になるそのネーミング〈胡椒餅〉を目指して、吉祥寺店へ行ってきました。
台湾では定番の屋台B級グルメ
吉祥寺駅からほど近い交差点の一角に構える 「台湾老劉胡椒餅(たいわんろうりゅうこしょうもち)」吉祥寺店。11月のオープン以来、細長い三角ビルの店舗の前には連日行列が絶えず、その人気と注目の高さがうかがえます。
ちなみに胡椒餅とは、スパイスや調味料で下味をつけたお肉とたくさんのネギを、小麦粉などで作られた生地で包み、専用の窯の中に貼り付けて高温で焼き上げたもの。台湾では多くの専門屋台が並ぶポピュラーな食べ物で、常連さんがたくさん抱えていく姿は日常的な光景なのだそうです。
台湾オーナーと、現地修行した日本スタッフの熱い思いが詰まった胡椒餅
お店をオープンした植木ゆか里さんと永野加奈さんは、以前から胡椒餅の大ファン。専用窯を使った独特の焼き方と味わい、現地でたくさんの人たちに愛される胡椒餅の魅力を「いつか日本に紹介したい」と常々思っていたと言います。しかし、コロナ禍で世の中の状況は一変。 台湾を訪れることすら難しくなってしまいました。
「自由に海外旅行もできなくなり、どうしたものかと……。ただ、こんなときだからこそ、あの美味しい現地の味を日本でも身近に感じて欲しいという思いが募り、昨年、二人で台湾へ修行に行きました」(植木さん)
台湾へ飛び、街で多くの胡椒餅店が軒を連ねる中から、二人が「本当に美味しい!」と選んだのが「老劉胡椒餅」。直接交渉してみたところ、同店のオーナーの劉さんは、二人がお店で働くこと快諾してくれた上、日本での展開にも協力してくれることに。
「私たちは中国語ができないので、通訳の方にお願いしたり、仕事中は翻訳アプリを活用したり。働かせていただく中で、劉さんの胡椒餅のレシピ、作り方、専用窯の扱い方だけでなく、胡椒餅への思いもたくさん伺って、そのすべてを日本に持ち帰りお店をオープンしました。今みなさんにお届けしているのは、劉さんの胡椒餅そのものなんです」(植木さん)
味の決め手は門外不出のスパイス
香りが誘う現地感満載のおいしさ
さて、焼き立てアツアツの胡椒餅を割ってみると……生地の中には角切りの豚肉がたっぷり!ぱくりとほおばれば、口いっぱいに広がる八角の香りにピリリと胡椒が効き、その独特のスパイスの風味は「あー、ここ台湾の屋台街かも」と思うほどの現地感。 このおいしさはクセになりそうです。
胡椒餅の味の決め手となるのは、なんといってもこのスパイス。お店では劉さんが台湾でブレンドしたものを送ってもらい、使用しているそう。「その配合は劉さんのみぞ知るレシピ。私たちが現地お店で働いるときも、作っている姿を見たことはありません。今も日々相談にのってくださって信頼関係のある劉さんですが、このレシピだけは秘密なんです」(植木さん)
地元台湾で愛される味を、材料から作り手の思いまで丸ごと伝授している「台湾老劉胡椒餅」。店頭では焼き上がり時間を表示して、いつでも出来立てを販売中。アツアツの胡椒餅が楽しめます。現地直送、秘伝のスパイスをまとった本場の味。作り手の熱い思いとともに、ぜひ一度ご賞味あれ。
台湾老劉胡椒餅 吉祥寺店
住:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-11-1
営:12:00~14:00、16:00~19:00
休:月曜
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