(写真:上原朋也)
誰もが通る体の変化「更年期」。海外では「メノポーズ」と言われています。日本ではあまりオープンに話すことがなかった更年期も、時代の流れとともに語られるシーンが増えてきました。
ある日、結城アンナさんに「メノポーズ・更年期のこと、聞いてもいいですか?」と、ちょっと勇気を出して質問したところ「もちろんOKよ!」と快諾。
結城アンナさんだからこそ語れる、メノポーズ・更年期ストーリー前編をお届けします。
結城アンナ/ゆうきあんな
1955年、スウェーデン生まれ。10代からモデルとして活躍。夫は俳優・岩城滉一氏。60歳を迎え芸能活動を再開。自身の著書やSNSで心地よいライフスタイルやファッションを発信。そのシンプルで自然体な暮らし方は世代を超えて支持されている。現在は雑誌のカバーモデルなど多方面で活躍中。著書『Anna’s Cookbook 季節の食卓』(主婦と生活社)発売中。
Instagram @ayukihouseも人気。
メノポーズ・更年期は特別なことではなく、人生の一貫。
40代半ばから60代前半にかけて、女性ホルモンの変動とともに起こる体の変化の時期をメノポーズ=更年期といいます。結城アンナさんが考えるメノポーズ・更年期とは?
「メノポーズはある年代だけのものではなくて、一生のことだと思っています。だって体は年齢とともにどんどん変わっていくでしょ?
成長して大人になる時期、出産や子育ての時期、そしてマチュア世代と、その時々で変化をしている。
医学的には、特定の時期を指してメノポーズと言うのかもしれませんが、私は一生を通しての変化だと思っていますね」
生きていく流れの一貫でメノポーズ・更年期があるという発想。まさに結城アンナさんらしい捉え方です。
「『生理が止まるから大変』ということではなく、生きていく上での流れなのだから、そんなに大騒ぎすることではないと思います。
多分、生理がなくなることで起こる女性の体の変化から、メノポーズは大変というイメージができているのでしょうね」
少しずつ体の変化を感じ始めた結城アンナさんの40代。
結城アンナさん自身は、どのようなメノポーズ・更年期を経験したのでしょう?
「『この年齢からメノポーズが始まりました』というより、徐々にですよね。
35歳ごろから、風邪をひいても治りが悪いと感じ、それまでは熱いお風呂に入れば治っていたのに、なんだか治りにくいなと。
45歳からは、雨の日に車を運転していると見えにくくなり、老眼鏡をかけ始めました。
そして40歳後半からは、汗を多くかくように。特に寝ている時に大量の汗をかいて、びっしょりになる。もともと運動が好きで、汗をかくのは嫌いじゃないけれど、寝ている間の汗は大変でしたね。
同じ時期ぐらいから、朝、なかなか起きられなくもなりました。起きようとすると、まるで船酔いのようなめまいがするんです。その時は、『寝足りないのかな』と思っていたけれど、それもメノポーズの症状だったかもしれませんね。
こういうときに仕事がある人は大変。とても起きられるような体調じゃないのに、仕事に行かなくてはいけないなんて、本当に大変だと思います。
私の場合は、寝て治しました。気持ち的には『寝れば治るでしょ』という感じで。そんな風にベッドで寝たままの私を見て、ダディ(夫)は『かわいそうだね、寝てな。じゃ、僕は出掛けてくるね』って(笑)」
51歳で生理がなくなり、60歳への不安が湧いて。
少しずつ体の変化を感じながら、結城アンナさんは50代を迎えます。
「51歳の時、生理が来なくなり、来たな、これがメノポーズかな、と思ったのを覚えています」
女性なら同じように感じるかもしれない、生理が終わった時の思い。その後に起こった結城アンナさんの変化とは?
「特に大きな体の変化や不調は感じませんでしたが、疲れやすくはなりましたね。
それよりも50歳になって人生の半分が来た。だから、いろいろなことに挑戦しようという思いが生まれました。
そのひとつ、自分のルーツを知りたくなったんです。
父方の福島、母方のスウェーデンのルーツを訪ね、私が知らなかった両親の話を聞いたり、ご祖先様の話を聞いたり。それはすごくいい経験でしたね」
一方でこんな思いも湧いてきたといいます。
「50歳を過ぎて疲れ気味だったこともあり、50代後半ってどうなっているのかな。60歳やっていけるかななんて不安になりました」
50代のメノポーズ・更年期の症状から生まれた結城アンナさんの60歳への不安。その後のお話は後半で!
取材・文/河田実紀