30年以上にわたりフランスと日本を行き来している、フランス式アロマテラピーの第一人者・日下部知世子さん。日下部さんによると、パリの女性は自然のものを取り入れながら、更年期と上手につき合っていると言います。そんな彼女たちの更年期ケアとは?後編をお届けします!
前編はこちら。
究極のケアは恋をすること!?アロマテラピースペシャリスト 日下部知世子さんに聞く【パリマダムたちの更年期ケア/前編】
日下部知世子/くさかべちよこ
一般社団法人ベジテラピー協会代表理事。アロマテラピースペシャリスト。1978年よりフィトテラピー(植物療法)とアロマテラピー(芳香療法)を学び、1981年より、仏アロマテラピーの父と呼ばれる故ジャン・ヴァルネ博士と後継者マダムティフィーヌに師事。トップアスリートのコンディショニングやスパのプロデュースなども手がける。
ハーブもフランス女性の心強い味方に。
前編では、アロマによる更年期のケアについてお伝えしましたが、もうひとつ、パリの女性が取り入れているのがハーブだと言います。
「フランスには『エルボリストリー』といって、日本の漢方薬局のような薬剤師が体調に合ったハーブを調合してくれる薬草薬局が古くからあります。パリの人たちも、ちょっとした不調を感じたらエルボリストリーに立ち寄り、ハーブティーを処方してもらったりして気軽に利用しています」
ちなみにフランス語でコーヒーや紅茶は「the(テ)」と呼びますが、ハーブティーは「tisanes(ティザンヌ)」と区別して呼ばれているそう。
「フランスではティザンヌが生活に根づいていて、レストランやカフェのメニューにも必ずあります。ティユール(リンデン)やヴェルヴェーヌ(レモンバーベナ)などはフランス人にとってはなじみ深いハーブ。また、スーパーに行くと、食後の胃腸をすっきり整えるもの、デトックスやダイエットのためのもの、妊産婦さんや女性特有の症状をサポートするものなど、目的に合わせて数種類のハーブがブレンドされたティーバッグがたくさん売っていて、手軽に楽しむことができます」
更年期に役立つおすすめハーブは?
日下部さんに、日本でも手に入りやすい更年期におすすめのハーブを聞いてみました。
・セージ ホルモンの乱れによるイライラやほてりを鎮める
・エリカ 利尿作用があり、膀胱炎などの泌尿器に役立つ
・ローズマリー 胃腸が弱い人、足がつりやすい人に
・エルダーフラワー 関節痛の緩和など
・ネトル 関節炎や貧血の予防に
・ラベンダー、カモミール 不安や不眠に
・リンデン むくみやデトックスに
・レモンバーベナ 消化不良、イライラや緊張にも
※効能はフランスで一般的に知られているものです。
ノンカフェインのハーブティーなら就寝前にも取り入れやすそう!日本ではまだまだなじみがないかもしれませんが、アロマやハーブティーの専門店などで見かけたらぜひチェックしてみてください。
「パリの女性にとっての究極の更年期ケアは、恋をすること!私の知り合いの70代の女性も、おしゃれをして素敵なレストランに一緒に食事に行くようなボーイフレンドがいますし、リアルではないけれど、俳優に夢中になって疑似恋愛のような気分を楽しんでいる女性も。いくつになっても恋する気持ちを忘れないことが、パリマダムたちの美しさを保つモチベーションのかもしれませんね」
写真 (c)SIPA/amanaimages、取材・文/矢沢美香