たゆまぬ進化を続ける美容業界。クウネルがリニューアルした2016年からの5年間でも、常識を超えたり、覆されるような研究成果や新商品が登場しました。その流れを振り返りつつ、これからの美容トレンドをビューティサイエンティストの岡部美代治さんと読み解いていきます。 この5年間の中で、一番のインパクトと言えば、 化粧品でシワが改善できるようになったこと。皮膚科学や大気汚染対応でシミに立ち向かい、健康的な美白を実現可能にしました。今回は、今にも続くシワ改善コスメブームの、火つけとなった2017年のトレンドスキンケアをご紹介します。
化粧品でシワが消える!
ニールワンを配合し、シワ改善効果があると厚生労働省に認可された、ポーラのリンクルショットが登場。「美容医療に化粧品が近づいたと感じさせられた最たるものです」(岡部さん)。
徹底美白には、 大気汚染対応も必須に。
「排気ガスやPM2.5などの大気汚染が肌内部で活性酸素を生成、くすみやシミ、シワなどを引き起こしていることに対応する、美白コスメやUVカットアイテムがたくさん登場するように」(岡部さん)。
クレンジングは、オイルからバームへ。
「スルスルっと肌に伸びて、洗い流した後の肌にヌメリ感が残らない、ハードなメイクも落とし、さらにダブル洗顔の必要がないと、クレンジングバームが人気に」(岡部さん)。
幹細胞研究を応用したコスメが続々。
「コスメデコルテが2015年に、幹細胞研究に着目したiP.Shotを誕生させていましたが、ロート製薬が脂肪幹細胞が生み出す肌再生成分をスキンケアに応用。注目を集めました」(岡部さん)。
3D解析で シミに立ち向かう。
「コーセーが初めて、シミのある部分の皮膚構造を3D解析。シミを作り出すメラノサイトの様子がわかったことで、根本からの美白ケアに必要なことがわかるように」(岡部さん)。
岡部美代治/ビューティサイエンティスト
国内化粧品メーカーで基礎研究や商品開発に携わり、ヒット商品の数々を担当。現在は美容コンサルタントとして活動し、正しい美容情報を発信し続けている。
●美容界ふり返り シリーズはこちら
◎【2016年編】より人を幸せにする美容へ。皮膚科学に基づいた大人スキンケア。
『ku:nel』2021年3月号掲載
写真 池田 敦 Pile Driver/取材・文 河村美枝 /編集 河田実紀 Hata-Raku