香りは目に見えないものですが、人の「雰囲気づくり」には大いに力を発揮します。香りのもつ力や上手な使い方を、調香師の大沢さとりさんに教えていただきました。
「香水はゆとりある女性の魅力を表現する大切なアイテムです。好きな香りを上品にまとうことで、自分らしさを 素敵に表せると思います」とさとりさんは言います。
日本では、“香水は特別な時につけるもの”として、 日常的に楽しんでいる方は欧米ほど多くないかもしれません。でもさとりさんは教えてくれます。
「日本には昔から、四季折々の花の香りに親しみ、癒されてきた文化があります。外にアピールするためのファッション的な使い方だけではなく、自分も周囲も心地よく過ごせるように、質の良い、好みの香りをほのかにまとうのがきれいです。それが内面の豊かさにつながり、 その人のオーラとなっていくのだと思います」
季節やシーンに合わせてお気に入りを3本ほど見つけると、より香りのあ る暮らしが楽しめるといいます。
香り選びの際は、店頭で第一印象だけで決めず、手首などにつけて、しばらく匂いの変化を確かめましょう。
「香りには、トップ、ミドル、ラストノートの 段階があります。時間が経過しても好きな香りかを試すことで、長く愛せるお気に入りが見つけられるはずです」
『ku:nel』2019年7月号
写真 柳原久子/取材・文 鈴木麻子