60代で身軽にムリなく生きる女性たちにインタビューをした『60代からシンプルに穏やかに暮らす』(主婦と生活社)が話題です。60歳といえば還暦。人生の節目です。子どもは大きくなった、仕事で悩むことがなくなった、人付き合いの力の入れ方抜き方が分かってきた……。人生の重荷から解かれて、少し気楽になっていい世代。お金をかけずに心豊かに暮らすコツをご紹介します。第2弾は『クウネル・サロン』の連載で大人気となったショコラさん。65歳を迎え、待ちに待った年金受給が始まったそうです。
series~人生は60代からが自由で面白い!
ショコラ
65歳。60歳で始めたブログ『60代一人暮らし 大切にしたいこと』が話題となり、トップブロガーに。著書に『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎)、『65歳から心ゆたかに暮らすために大切なこと』(マガジンハウス)。
40代で離婚し、ひとり暮らしを始めて23年。60歳を目前に、「息子たちに迷惑をかけないように」と思い立ち、暮らしを整える「老前整理」を始めたショコラさん。人生初のブログを始めた60歳からはその様子を記録し、等身大の目線から綴るささやかな暮らしぶりが多くの人の共感を集め、これまでに出版した2冊のエッセイも大好評です。なかでもひと際注目を集めたのが、「月12万円」と決めた生活費。65歳からの年金受給を思い描いて、設定していた金額だそうですが、さて、いざ年金生活がスタートしたら……。
生活費は12万円。工夫すれば意外に楽しい
ブログや著書で、生活費の内訳をわかりやすく公開しているショコラさん。毎月の生活費は12万円。これは、65歳からもらえる年金受給額の目安を算出し、将来の年金生活に備えて設定した金額です。それを、50代からシミュレーションしていたことで、毎月のやりくりがラクに行えるようになったと言います。
「まず、マンションの修繕積立金と管理費に固定資産税の月割りで3万円、
水道光熱費や保険料、通信費などが約3万円。この固定費6万円を差し引い
た、残りの6万円でやりくりしています。そのうち食費は2万円で、交際費
や日用雑貨、洋服代などのそのほかの雑費が4万円と決めています。長年、
家計簿をつけていたおかげで、自分のお金の使い方のクセもわかっているので、この割り振りが私にはベストなんです」
また、月々のお金の管理もひと工夫。引き落としの固定費は銀行口座に残し、残りの6万円は一度に引き出して、食費用とそのほか用の2つの財布に分けておきます。この財布の現金で1か月をやりくりすると、支出の動きが目に見えてムダ遣いを減らせる効果も。
そして、迎えた65歳。待ちに待った老齢年金の受給も始まり、生活費のベースを年金に切り替えました。「今は生活費を年金だけでやりくりし、パートのお給料を予備費にまわして、たまの贅沢に使っていこうと思います。生活費の額は変えていませんが、安心できる環境が整ったことで、以前より12 万円でやりくりすることが面白くなっています」
これからは楽しく働き、穏やかに暮らす
住宅ローンの支払いや生活費を確保するために、がむしゃらに働いていた正社員時代とは違い、60歳を過ぎてからは「収入が減っても自分のペースで働きたい」と、パートのシフトを減らして週4日の勤務に。さらにコロナ禍の影響で時短になったことも「今はちょうどいい感じ」と、肩の力を抜いて働くことを楽しんでいます。
「パートを始めた頃は、『年金がもらえるまで』と決めていましたが、実際にその年齢を迎えてみると、居心地がよくてやりがいも感じているのだから『今手放すのはもったいない!』と、気持ちが大きく変わりました。先のことはわかりませんが、年齢的に最後の仕事になると思うので、働きたい気持ちを大切にしたいと思っています」
身の丈に合った暮らしを崩さず、少しずつ準備をして手に入れた、軽やかで自由なシンプルライフ。愛すべき二人の息子さんとも素敵な母子関係を続けながら、ショコラさんはささやかで穏やかな幸せ時間を過ごしています。
撮影/鈴木真貴
※本記事は 『60代からシンプルに穏やかに暮らす』(主婦と生活社)から の抜粋です。
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