都会の中の里山のような農園『THE HASUNE FARM』。有機農法で育てる野菜は、少量栽培のため、スーパーなどには卸さず、畑の直売所と収穫体験、限られた飲食店や都内のいくつかの個人直売がメインに。そんな畑の朝採れ野菜を使って料理を提供するレストランに行ってみました。
都営三田線「蓮根」駅から徒歩5分ほど。住宅街に突如現るこじんまりとした農園『THE HASUNE FARM』は知る人ぞ知る存在。野菜の美味しさに魅せられた料理人や、はるばる遠方から足を運ぶ野菜好きのファンも多いという密かな注目を浴びているスポットです。
通りから、青々と茂る里芋の葉や実ったナスを横目に、入り口の直売所に向かうと、ご近所さんたちが野菜を手にぎやかに雑談。お邪魔すると、中には希少な滝野川ごぼうを目当てに予約して訪れたという方も。
カゴの中の野菜が少ないので、もう売れちゃったかと思っていたら「好きに採ってもいいですよ」。と農園スタッフ。野菜のエリアを案内いただきつつさっそく収穫体験へ。
モロヘイヤ、ツルムラサキ、オクラ、ミント…、青々と元気のいいフレッシュな野菜を目にすると、楽しくてついつい採り過ぎちゃうほど。野菜はすべて量り売り。新聞にくるくると包んで手渡ししてくれます。
畑の近くに、とれたて野菜料理を出すレストランが
農園で作られる野菜は、無農薬・無化学肥料栽培なので 捨てるところなく“ 葉も皮も根っこも“ 全部食べられることが強み そんな朝採れ野菜をメインに提供するレストランが 今年春にオープンした『PLANT』です。
シェフを固定せずに、フリーランスの料理人が週替わりで料理をするスタイルで、厨房はオープン形式。席が近いと料理の工程が眺められ、運が良ければシェフとの会話も楽しめます。
当日料理を担当していたのは女性シェフの青柳さん。「お花とか野菜の断面の美しさとか、ちょっと不格好でも綺麗だなと思った自然美を取り入れています」。インスピレーションは畑に詰まっているのだそう。
ランチは、野菜だけで出汁をとった、ツルムラサキとオクラのシンプルなスープに始まり、 「前菜は」朝採れのフレッシュなモロヘイヤ、アマランサス、ナスタチュームのお花と葉っぱ。中にはナッツベースのビーガンマヨネーズで和えたごぼうも隠れています。メインは、お肉が苦手なことを予約時に伝えていたため、野菜バーガーを出していただきました。厨房で焼いたバンズの中には、グリルした白ナスとバターナッツカボチャ。どの一品も野菜の甘み、香り、滋味が詰まっていて、野菜好きにはたまりません。
フレッシュな無農薬野菜の収穫体験もできる農園と、その野菜の滋味を引き出す農園レストラン、ぜひ一度お出かけしてみては。
THE HASUNE FARM
住:東京都板橋区蓮根2-5
電:非公開
営:畑直売は毎週火・木・土10:00〜12:00、14:00〜16:00
*詳細はInstagramでご確認ください
Instagram:@the_hasune_farm
写真・文/牧田ちえみ