初めてのことは、いくつになってもドキドキ。
半面、どんな変化があるかしらと期待でワクワク
優しさと品格が溢れ出る伊藤千桃さん。神奈川・葉山で『桃花源』を主宰し、食、暮らしなど多方面で活躍され、充実した毎日を送っています。ナチュラルなシルバーヘアも素敵。「人生で一度も髪を染めたことがないんです。こんなこと言っていいのかしら? じつは髪も自分で切っています。くせ毛なので、自分でヘアカットしてもなんとなくごまかせるのよね」。それだけ髪にフリーダムということは‥‥‥「はい、もちろんオーダーメイドウィッグは初めての体験です」。
Step①[サロンに到着]
ウィッグをオーダーするため、事前予約をしてサロンへ。
東京・銀座5丁目、ハイブランドのショップも入るビルの7階に、レディースアートネイチャー銀座サロンはあります。「銀座に来るのは本当に久しぶり。少しだけ銀ブラをしてからうかがいました。まさか私がウィッグを作る日が来るなんて想像もしていなかったことです」
今朝、伊藤さんが自宅を出る際、こんなことがあったそう。
「一緒に暮らす中学一年生の男の子の孫が『ばーばが、あのアートネイチャーに行くの~!? どんな風に変身できるのか楽しみだね。行ってらっしゃい』と。ヘアスタイリングもしたこともなければ、いつもTシャツにパンツというおしゃれとは逆のイメージのばーばがウィッグをつける。孫にとっては驚きだったみたいですね」。さぁいよいよ伊藤さんのオーダーメイドウィッグ作りのスタートです。
Step②[カウンセリング]
ヘアカウンセラーに自身の髪の悩み、
ウィッグへの不安や迷いを話します。
明るく清潔感のあるカウンセリングルームへ。お客様ひとりに対して、1名のヘアカウンセラーが担当します。今回はベテランでお客様からの信頼も厚い小野木佳恵さんが伊藤さんを担当。「伊藤様、どうぞよろしくお願いいたします、髪に関すること、ウィッグのこと、なんでも聞いてください」と優しく語り掛けます。「私が20歳のころ、ウィッグがファッションとして流行っていて、遊び感覚でオールウィッグをつけたことがありました。それ以来ですから…もう50年ぶりのウィッグになります」。そんな思い出話から始まり、小野木さんが髪について伊藤さんにいろいろ質問、カウンセリングが進んでいきます。
Step③[試着]
なりたい髪型、今の髪色に近い
サンプル用のウィッグを試します。
カウンセリングした後は、ウィッグの試着です。「伊藤様のご希望に添うようなサンプルのオーダーメイドウィッグをご用意しました」と、小野木さんが伊藤さんに合うウィッグを数点並べます。「ウィッグといったら黒や茶などのカラーばかりだと思っていました。こんなシルバーヘアのものもあるんですね」と驚く伊藤さんに、「では、実際につけてみましょう」と鏡の前に誘導。
ウィッグを伊藤さんの頭に小野木さんがつけると、「まぁ素敵!」と伊藤さんの表情がパッと華やぎます。そして興奮気味に「私の髪ともなじみ、これがサンプルなんてびっくりです」。この最初の感動ママに、オーダーメイドウィッグの完成を目指します。
試着をしたことで、オーダーメイドウィッグを作ることが、ますます楽しみになった様子の伊藤さん。「髪色も自分の髪色となじんで自然、そして軽くて、つけるのも簡単、あっという間にボリュームもアップして華やぐ。つけて初めて分かったのですが、通気性も良さそうで、暑い季節でも大丈夫ですね」
Step④[オーダー]
長さ、髪色、頭の形など
細部にわたって確認&採寸をします。
「では、オーダーメイドウィッグを作るために、具体的に進めていきますね。まずは髪色を決めます。伊藤様は場所によって髪色が違いますので、各パーツごとにどのような髪色がふさわしいか確認させてください」、そう言って小野木さんが様々な髪色の束を伊藤さんの髪に当てます。「丁寧に色を決めていくのですね」と、伊藤さんも感心するばかり。続いては、頭にフィットするものを作るために正確な頭のサイズ、形、つむじの位置を専用3Dスキャナーで計測して、オーダーは完了。
約2時間サロンで過ごし、オーダーメイドのウィッグ作りを経験した伊藤さん。「すべて専門の職人による手作業でウィッグは作っていますので、完成まで2カ月ほどお時間をいただいています。楽しみにお待ちください」と、小野木さんからメッセージ。「ウィッグについて新しいことがたくさん知れて新鮮でした。完成が楽しみでなりません。ありがとうございました」
こちらのリポートの続きは、オーダーメイドウィッグが完成する来年1月に。
PROFILE
伊藤千桃/いとうちもも
1950年ジャカルタ生まれ。インドネシアと日本のダブル。「桃花源」の屋号で、神奈川県・葉山の自宅をベースにお弁当ケータリング、バーベキューサービス、民泊などを行う。著書に『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)。
Instagram:@toukagenhayama
CREDIT
撮影(静止画) 玉井俊之/取材・文 河田実紀/メイク 伏屋陽子(ESPER)/監修 原 千香子/撮影(動画):三栖かおる、阿部敬弘、小崎秀司