心地よい空間にしようと、センスを発揮し、時に自ら手も加えるフランス・パリのマダムたちの部屋はいつだって参考に。アトリエも兼ねた空間で、のびのび子育てを楽しむ画家の家を訪ねました。
ヴィンテージやベーシックな家具、そして服が好きと話すオリビア・ブロシュ・レンヌさん。10 区ベルヴィル近くのこの家は、マレやサン・マルタン運河も徒歩圏内という、便利な場所にあります。
「アトリエと家を一緒にしたくて、 10 年前に2階建ての大きな箱のような家を見つけました。住み慣れた5区から環境がわからない10 区に越すのは不安でしたが、今ではこの環境が大好き!」
最初の工事で1階をオリビアさんのアトリエに、2階を家族の居住スペー スにしました。その後、子供が生まれたことで、アトリエの一部を子供部屋に改装しました。
「子供が遊ぶ声を聞きながら絵が描ける理想の環境です。子供たちの世話をしながら、1時間でも時間が空けば、すぐにアトリエで作業できる。今のライフスタイルにこの家は合っていると思います」
60 ㎡のリビングルームを見ればわかるように、白を基調にして、光がまわる明るい部屋に仕上げました。
「作り込み過ぎないシンプルでラフな家にしたかった。収納スペースが足りなかったので、キッチンの棚などは自分たちで作りました。将来的に改築の可能性はありますが、今はこの家で大満足です」
オリビア・ブロシュ・レンヌさん
Olivia Bloch-Lainé/アーティスト・画家。映画美術として20年間働いたのち、油絵への情熱が捨てきれず、仕事を辞め、画家として専念。最近は個展なども開催している。
『ku:nel』2019年9月号掲載
写真 篠あゆみ/コーディネート 石坂紀子/文 今井恵