『プラダを着た悪魔2』の大人になったアンディが魅力的!【山崎まどかさん✕柚木麻子さん対談Vol.2】
数多くの作品を通して、魅力的な大人の女性に出会ってきたおふたり。個性豊かな登場人物たちから、いま憧れるかっこいい大人像を探ります。
【山崎まどかさん✕柚木麻子さん対談Vol.1】からの続きです。
PROFILE
山崎まどか/やまさき・まどか
「失敗してもチャーミングな人が好き」
コラムニスト・翻訳家。映画や文学、海外カルチャーなどのテーマで執筆。主な著書に『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)ほか。映画評や書評も手がける。
柚木麻子/ゆずき・あさこ
「何歳になっても、面白いことをしたい!」
作家。2010年デビュー。『ランチのアッコちゃん』(双葉社)、『BUTTER』(河出書房新社)などベストセラーを次々に執筆。映画をはじめカルチャーへの造詣も深い。
年齢を重ねた女性に、もっと自由な物語を
年齢を重ねることについて考えさせられる作品なら、『アクトレス~女たちの舞台~』が印象的。ジュリエット・ビノシュ演じる女優のマリアが、かつて出演した舞台で、今度は年上の役を演じることになるんです。当時マリアが演じた若い役には、新進女優のジョアン(演:クロエ・グレース・モレッツ)が抜擢される。自分がもう若くなく、旬ではなくなっていくことへの悲しみや屈辱を感じるけれど、それをすんなり受け入れられるわけじゃない。苦悩しながら、少しずつ受け入れていくところがいいんですよね。20年ぶりに続編が公開された『プラダを着た悪魔2』も、今回は大人になったアンディが魅力的だなと感じました。
『アクトレス ~女たちの舞台~』
ジュリエット・ビノシュ演じるマリア・エンダース
かつて若きヒロインを演じた作品のリメイクへの出演依頼を受けた大女優マリア。今度は年上の役を演じることになり、年齢を重ねることや女優としての自分と向き合っていく。
写真:Collection Christophel/アフロ
話題作ですね! 実は、2は未鑑賞なんです。周囲のほとんどの人が観ているので、早く追いつかないと、と思っています。原作は読んでいるのですが。
前作でファッション誌「ランウェイ」を去ったアンディが、その後もジャーナリズムの世界で、自分らしくキャリアを築いていたのがよかった。
前作から20年経って、まさに私たち世代の話ですよね。
そうなの。でも、ジャーナリズムの世界も斜陽で、突然仕事を失ってしまう。そこで再び「ランウェイ」と関わることになるんですけど、今度はそれまで培ってきたジャーナリストとしての経験を持ち込んでいく。そこが大人だなと思いました。
『プラダを着た悪魔2』
アン・ハサウェイ演じるアンドレア・サックス
「ランウェイ」で働いた日々から20年。出版業界が変化するなか、アンディはかつての上司ミランダと再会。エミリーやナイジェルも交え、それぞれのキャリアが再び交差する。
ディズニープラス スターにて見放題独占配信中
(c)2026 20th Century Studios
アンディが大人になった!という感じでしょうか? 前作では、ミランダ(演:メリル・ストリープ)が大人の女性に見えていたけれど。
そう。服装もいいんですよ。古着を上手に取り入れながら、自分のスタイルを持っている。そのセンスが、最後、若いアシスタントにも受け継がれていくところもよかったです。
ますます観たくなりました。こういう作品みたいに、年齢を重ねた女性の“その先”をもっと見たいですよね。日本では、50代、60代くらいの女性が主役になる作品ってほとんどない気がして、基本は誰かを導くメンターだったり、お母さん役だったりすることが多い気がします。
素晴らしい女優さんはたくさんいるのにね。
もっと活躍してほしいです。そういう意味で、『バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く』は最高でした。この作品、まどか先生にお薦めしてもらいましたよね。
『バーブ&スター ヴィスタ・デル・マールへ行く』
クリステン・ウィグ演じるスター アニー・マモロー演じるバーブ
小さな町で暮らす親友同士のバーブとスターが、人生初の大旅行へ。憧れのフロリダのビーチリゾートを訪れたふたりが、思いもよらない大事件に巻き込まれていくコメディ。
写真:Everett Collection/アフロ
柚木さんと親友のお二人を見ているようで(笑)。幼なじみの中年女性バーブとスターが、南のリゾートへ旅行する話。ふたりは、飛行機の中で架空の女性の人生を延々と考えて、最後には泣いてる。ティーンみたいに、ずっとペラペラ喋ってるんです。
全部架空なのに(笑)。旅先では恋もするし、とんでもない冒険にも巻き込まれる。でも、「中年女性だから」と重たいテーマを背負わされていないところが最高なんですよね。
中年の女性ふたりが楽しそうにキャッキャしながら活躍する映画って、意外とないんですよ。
そう、とにかく楽しそうなのがよかったです。バーブとスターのように、年齢に関わらずキュロットをはいて、歌って、冒険する。それでいいじゃん!って。大人の女性が、もっとハチャメチャな冒険をしてもいいと思うんです。
『クウネル』2026年11月号掲載
写真/川村恵理、イラスト/五月女ケイ子、取材・文/阿部里歩、編集/鈴木麻子
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『クウネル』NO.141掲載
どんな大人になりたいか?
- 発売日 : 2026年9月18日
- 価格 : 1,100円 (税込)